チャーチのコンサルと並んで、英国靴として人気が高いクロケットアンドジョーンズのオードリー(Audley)。
もうだいぶ前に買ったのだけれど、あまり足に合わない感じがして(だいぶ緩い)しばらくお蔵入りだった。いくらエレガントでも、作りにこだわりがあっても、知名度が高くても(これはあまり関係ないか)、やっぱり靴って履いて歩くものだから、合わない靴はだんだんローテーション頻度が低くなる。
いきなり低評価っぽい書き出しなのは、靴の良し悪しではなくて、単に僕と靴との相性がゆえ。
あまり履かない靴について書くのもどうかと思うところもあれど、クロケットアンドジョーンズは日本製の靴とはあまりにも違いが大きい気がするのに、日本で売れている(百貨店の取扱いも多い)靴みたいなので、ちょっとメモとして記録しておこうと思う。
オードリー自体は本当にいい靴。合う人は羨ましい。
微妙なロングノーズ加減に大きすぎず小さすぎずまとめられたキャップ。しっとりとしたレザーの質感など見た目の良さでは僕の手持ちの中ではいちばんだと思う。ラウンドトウ好きな僕から見ても、このなんとも言えない造形は「定番」と読んでもおかしくない。クロケットアンドジョーンズ社長のジョナサン・ジョーンズ氏がいうように、「良い革、作り、クラシック」といった言葉でまとめることができる。
もちろん、予算に上限を入れなければ、もっと良い革、もっと凝った作り(ハンドとか)はある。でも、そこそこの(とはいえ割引あるところで買っても8万円近くするけど)靴としては満足度が高いのではないだろうか。
日本でクロケットアンドジョーンズが流行りだしたのは、多分20年以上前だった気がする。その頃はOEM主力の工場が自社ブランドで打って出たみたいな位置付けで、ちょうどいま国内で言うところのビナセーコーやMIYAGIKOGYOみたいな印象だった。
いまでは正規代理店経由だと10万円近い靴になってしまった。日本ではチャーチと並んで人気が高い英国靴なのではないかな。
日本製の靴に比べるとボールジョイントから先がかなり狭い。ギリシア型の足に合いそう。僕が履くと夕方ころにはかなり小指側が痛くなる。点で当たるというよりも面で内側に寄せられる感じ。
一方、くるぶしから甲の外側はかなり(というか、ありすぎるほど)ゆとりがあって。足首周りはブカブカになってしまう。全長はかなりタイトめなのでつま先がきつくて足首回りが緩いという感じ(Eウイズ)。
アバディーンやパラティーノで足首周りがいい感じの人はかなり余ってしまうと思う。
大きいといわれるかかとは、ほかの国産靴と比べてもそれほど極端に大きいわけではない。底面は少し幅広ではあるけれど、上面に向かって絞り込まれている。実際に履いてみてもかかとがぶかぶかというわけではない。むしろ履き口、特に甲の外側が大きく、足首回りの容積が大きいことがフィットしない主要因。ここに過度なゆとりがあるためかかとが収まる感じが弱く、またインソールが全敷のため結果として前すべりして、それが指への負担を強めている。明らかに捨て寸のところまで足が入ってしまっている。(靴の後半部分をまとめて「かかと」と呼ぶのであれば確かにかかとが大きいと言える)
右がオードリー、左がシェットランドフォックスのアバディーン。下部が少しポテっとしているけれど、上に行くに従って絞りこまれている。
一方、履き口周りは明らかに周が大きい。かかと側はそれほど差がなく、甲側の大きさが結構違う。
甲も足首近くまで覆うアバディーンと比べるとかなり手前で終わっている。
国産靴(と一概には言えないが)と比較して全体的に、とくに足首近くの甲からかかとの肉付きが良い人向け。薄い人だと足首回りの甲の部分でのフィット感が弱いと思う。
伊勢丹でかかとをハーフサイズ小さくしたと言われるAUDLEY3を履いてみたけれどくるぶしから外側が余る感じだった。クロケットアンドジョーンズのラストは僕にはあわないというのが結論で、見た目で言えばベルグレイヴが最高に格好良くて履きたいのだけれど、合わない靴はやっぱり買えない。
ボックスカーフと思われるアッパーはかなり上質な革を使っていて、みずみずしいもちもち感がする。チョットクリームを付けて磨くだけでものすごく奥深い光沢になる。ボックスカーフは手入れ次第でしっとりとした質感になるのが好きだ。特にオードリーは品を感じる光り方で、これはご祝儀系に合いそう。
シワの入り方もきれい。この入り方を見るに僕のボールジョイントあたりの甲上面と相性が良いのか、それとも釣り込みなど靴全体の作りで無理がないのか、自然に履いてここまできれいに入るケースも珍しい。(僕は一切ボールペンなどは使わない人なので)
きめ細かなしわが入り、ツリーを入れるときちんと伸びる。
クロケットアンドジョーンズのソールは滑りやすいことで有名なので最初は気合を入れて履いてみた。確かに滑りやすいのは事実。とはいえハンドグレードラインのソールに限って言えば他の靴に比べて際立って滑りやすいというわけでもない。やや固めなソールなので新しいうちは滑りやすいということはあるかもしれない。むしろペイントなどのソールの仕上げ方と、縁より中心をややボリュームを持たせる造形によるところが大きい気がする。新品時点で滑るのはアバディーンと同じ感じ。どちらかと言うと釘打ちの多いソフィスアンドソリッドのほうがはるかに滑る。
それにしてもオードリーは惚れぼれするくらい美しい靴。パリラストとも呼ばれる337ラストは、全体の長さと嫌みのないスクエア感、エッジをあまり効かせずやや丸みを帯びた造形と、その美しさはベルルッティみたいな技巧の評価が高い芸術品というわけではなく、シンプルな美しさ。冠婚葬祭ビジネスどのシーンでもまったく自然に溶け込むようなスタイリング。伝統的なスマートといったところ。似たようなコンセプトのシェットランドフォックスのエジンバラと比較すると、意外とシャープなつま先形状でありながら、コバが比較的ゆるいカーブで仕上げられていることとキャップからボールジョイントにかけてのエッジが目立たないため単独で見ると結構丸っこい印象になる。
これだけの靴がぴったり合う人は羨ましい。
でも逆に、オードリーが合う人は、シェットランドフォックスで言えばグラスゴーはともかく、アバディーンは入らないのではないだろうか。羽根開きまくりだし、甲に靴が食い込むのではないだろうか。
日本のブランドはかかとを小さく、甲を低く、口を小さく、幅もやや細目に仕上げることが多くなってきたので、そういった形に合わない人には向いているかも。
購入した当時はいまほどフィッティングへのこだわりというか理解もなくて、試着した時にやたら口が余るなぁと思って聞いてみたところ、「履きこんでくるうちに合いますよ」というアドバイスを信じて買ってみた。いま思えばこれだけ自分の足との物理的形状が違うのだから、変形してどうのという話ではなくて、こちらがよく太るか革が縮まない限りフィットすることはなさそう。
どんなにいい靴といわれても、結局は足に合うか合わないかの基準が最初にありきということを教えてもらった靴。また、自分には日本靴のほうが合う場合が多いという事実を否が応でも気づかされた靴。履く機会はあまりないけれど、この靴だけは手放すことができなくて手元に置いている。
2015年4月23日木曜日
2015年4月19日日曜日
SHETLANDFOX 524F EDINBURGH
Shoe*にコメントをいただく Life Style Image さんのブログでコレスポンド(コンビ)シューズが紹介されていたので、改めて自分の靴も見直してみた。
シェットランドフォックス30周年記念モデルとして売られていたエジンバラ。
僕は一部限定や入手しづらいものもあるけれど、これまで記事を書いている時点で入手可能なものを公開するようにしていた。次はAudleyを書き進めているのだけれど、今回はちょっと番外編として先にこの靴を取り上げてみたくなった。
コンビシューズ。クラシックな靴の配色パターンを変えることでガラッと印象が変わる。靴屋さんでもあまり売られていないので、よほど靴に興味があってPOするようなことがなければワードローブに無い靴。まわりをちょっと見渡してみても、クラッシックなデザインのコンビシューズを履いている人はあまり見かけない。
シェットランドフォックスもあくまで記念モデルだからこそ作ったモデルなんだろうなと。ふつうはPOでなければやらないような組み合わせのほうがアイコンとしての意味がありそうだし。
エジンバラのラストは気に入っていたし、コンビシューズを持っていなかったこともあり日比谷のシェットランドフォックスで購入。
524Fの濃い茶色の部分はイルチア社ラディカ、薄い部分は同じくイルチア社とされており、シェットランドフォックスの公式ブログでもパターンオーダー例でそのような紹介があるけれど、このベージュはそれほどムラ感が無い。あまりむら染めしていない革なのだろうか。
この組み合わせはかなり的を射ていて、おまけにデザインはパンチドキャップトウと、これまた絶妙。「パーフォレーションを施すことによりフォーマルになり過ぎない」という説明が公式ブログにあったけれど、まさにそんな感じ。クオーターブローグでも良かったくらい。
製造元と思われるビナセーコーのペルフェットPOでもこれとそっくりなカンピドリオのサンプルがあった。
シェットランドフォックスはこれまでもラディカを採用した靴のトウにはメダリオンを入れていない。3014SFしかり、502Fしかり。ラディカはそれ自体に表情があるので、トウに持ってきたときはメダリオンを入れないというのは一つの解だと思っている。歴史的な背景はおいておくと、いまはメダリオンは意匠だし、ムラ感による立体感という意匠がすでにあるところにメダリオンが入ると、せっかくの表情がピンぼけしてしまう。
さてこのコンビシューズ、色の組み合わせで受ける印象が結構変わるから面白い。
スポーツ観戦用(極めて限定的なシーンだな)として履かれたというスペクテイターシューズ(spectator:スポーツなどの観客)はトウを黒(茶色もある)、アッパーが白というパンダデザイン。でもこれ、合わせる洋服をすごく選ぶような組み合わせ。
出自をあまり考えないとすれば個人的にはコンビは黒白よりも、トウにはブラウンやワインのほうが合わせやすい気がする。黒白はコントラストがきつすぎて、靴だけが異常に目立ってしまう。これを収まりよく履きこなすには相当の実力が必要で、その自信がない僕はやっぱりブラウンベースが安心なわけです。
ベージュ部分は雨があたるとかなり色が変わる繊細な革。いまのところ小雨程度しか降られていないためなのか、乾くととくにシミになるわけでもなく元通りに回復している。ベージュなどの明るい色は濡れた時の変化が大きいので、雨が降らない予報が出ている日に履いたほうが良いかもしれない。
ソールも定番モデルとは異なりベージュのおとなしめなもの。至ってクラシック。こちらも雨の日履くと結構色が変わることと、路面から拾った汚れも目立って汚らしくなる。革靴だからという理由ではなくて、履いている時の色合いや表情を大切にするなら天気を気にしたほうが良い靴。
履き心地はエジンバラそのもの。最近の細め薄め系からすると気持ち甲が高くかかとが大き目なつくりではあるのだけれど、僕のように幅普通薄めの足には指への負担が少ないので休日履きとしては履きやすい。
全長も現在の標準よりは短めでこれまたジーンズからジャケットまで違和感無く履くことができる。ややスクエアで立体的な形状のため、どちらかというときれい目スタイルに合うのではないかな。
シェットランドフォックスはアーバインでコンビを売っている(3077SF)。これ、なかなか通好みのモデルな気がする。これぞ正統派スペクテイターシューズみたいな。アーバインは靴そのものの造形はとてもクラシックで、展開しているデザインもド定番。もう少し甲が低かったら...
イルチアのラディカの立体感と、何とも言えないベージュの質感なのか、この靴を履いているとかなりの確率で「いい靴ですね」と言われる。靴好きでなくても直感的にわかる素材の良さはさすが旧イルチアだなと。
最近は休みがなかなか取れないこともあって、休日用の革靴はW10BDJと3043SFだけで事足りてしまうのだけれど、よくよく見てみると、こういうコンビシューズってわくわくする靴だと思ったわけです。
ソフィスアンドソリッドでもコンビの新作が出ていますね。なかなかレギュラーモデルでは用意されないデザインなので、POする機会があったらコンビシューズも見なおしてみようと改めて思うのでした。
シェットランドフォックス30周年記念モデルとして売られていたエジンバラ。
僕は一部限定や入手しづらいものもあるけれど、これまで記事を書いている時点で入手可能なものを公開するようにしていた。次はAudleyを書き進めているのだけれど、今回はちょっと番外編として先にこの靴を取り上げてみたくなった。
コンビシューズ。クラシックな靴の配色パターンを変えることでガラッと印象が変わる。靴屋さんでもあまり売られていないので、よほど靴に興味があってPOするようなことがなければワードローブに無い靴。まわりをちょっと見渡してみても、クラッシックなデザインのコンビシューズを履いている人はあまり見かけない。
シェットランドフォックスもあくまで記念モデルだからこそ作ったモデルなんだろうなと。ふつうはPOでなければやらないような組み合わせのほうがアイコンとしての意味がありそうだし。
エジンバラのラストは気に入っていたし、コンビシューズを持っていなかったこともあり日比谷のシェットランドフォックスで購入。
524Fの濃い茶色の部分はイルチア社ラディカ、薄い部分は同じくイルチア社とされており、シェットランドフォックスの公式ブログでもパターンオーダー例でそのような紹介があるけれど、このベージュはそれほどムラ感が無い。あまりむら染めしていない革なのだろうか。
この組み合わせはかなり的を射ていて、おまけにデザインはパンチドキャップトウと、これまた絶妙。「パーフォレーションを施すことによりフォーマルになり過ぎない」という説明が公式ブログにあったけれど、まさにそんな感じ。クオーターブローグでも良かったくらい。
製造元と思われるビナセーコーのペルフェットPOでもこれとそっくりなカンピドリオのサンプルがあった。
シェットランドフォックスはこれまでもラディカを採用した靴のトウにはメダリオンを入れていない。3014SFしかり、502Fしかり。ラディカはそれ自体に表情があるので、トウに持ってきたときはメダリオンを入れないというのは一つの解だと思っている。歴史的な背景はおいておくと、いまはメダリオンは意匠だし、ムラ感による立体感という意匠がすでにあるところにメダリオンが入ると、せっかくの表情がピンぼけしてしまう。
さてこのコンビシューズ、色の組み合わせで受ける印象が結構変わるから面白い。
スポーツ観戦用(極めて限定的なシーンだな)として履かれたというスペクテイターシューズ(spectator:スポーツなどの観客)はトウを黒(茶色もある)、アッパーが白というパンダデザイン。でもこれ、合わせる洋服をすごく選ぶような組み合わせ。
出自をあまり考えないとすれば個人的にはコンビは黒白よりも、トウにはブラウンやワインのほうが合わせやすい気がする。黒白はコントラストがきつすぎて、靴だけが異常に目立ってしまう。これを収まりよく履きこなすには相当の実力が必要で、その自信がない僕はやっぱりブラウンベースが安心なわけです。
ベージュ部分は雨があたるとかなり色が変わる繊細な革。いまのところ小雨程度しか降られていないためなのか、乾くととくにシミになるわけでもなく元通りに回復している。ベージュなどの明るい色は濡れた時の変化が大きいので、雨が降らない予報が出ている日に履いたほうが良いかもしれない。
ソールも定番モデルとは異なりベージュのおとなしめなもの。至ってクラシック。こちらも雨の日履くと結構色が変わることと、路面から拾った汚れも目立って汚らしくなる。革靴だからという理由ではなくて、履いている時の色合いや表情を大切にするなら天気を気にしたほうが良い靴。
履き心地はエジンバラそのもの。最近の細め薄め系からすると気持ち甲が高くかかとが大き目なつくりではあるのだけれど、僕のように幅普通薄めの足には指への負担が少ないので休日履きとしては履きやすい。
全長も現在の標準よりは短めでこれまたジーンズからジャケットまで違和感無く履くことができる。ややスクエアで立体的な形状のため、どちらかというときれい目スタイルに合うのではないかな。
シェットランドフォックスはアーバインでコンビを売っている(3077SF)。これ、なかなか通好みのモデルな気がする。これぞ正統派スペクテイターシューズみたいな。アーバインは靴そのものの造形はとてもクラシックで、展開しているデザインもド定番。もう少し甲が低かったら...
イルチアのラディカの立体感と、何とも言えないベージュの質感なのか、この靴を履いているとかなりの確率で「いい靴ですね」と言われる。靴好きでなくても直感的にわかる素材の良さはさすが旧イルチアだなと。
最近は休みがなかなか取れないこともあって、休日用の革靴はW10BDJと3043SFだけで事足りてしまうのだけれど、よくよく見てみると、こういうコンビシューズってわくわくする靴だと思ったわけです。
ソフィスアンドソリッドでもコンビの新作が出ていますね。なかなかレギュラーモデルでは用意されないデザインなので、POする機会があったらコンビシューズも見なおしてみようと改めて思うのでした。
2015年4月14日火曜日
REGAL TOKYO
僕の最もお気に入りのお店、REGAL TOKYO。
銀座には数多くの靴屋があるけれど僕の一つの原点ともいえる。
僕はプロフィールの通り、リーガル系の靴を買うことが多い。なので必然的にREGAL TOKYOと日比谷のシェットランドフォックスに行くことが多いのだけれど、このREGAL TOKYOの接客の質は素晴らしいと思う。
僕はビスポークをしたことが無いし、ここの上得意さんと比べると取るに足らない金額しか使っていないと思うのだけれど、いつも満足できる接客を受ける。特に(最近見ないけど)斉藤さんの接客はスペシャルで、本当に勉強になることが多かった。
最近は日比谷にシェットランドフォックスができたため、REGAL TOKYOではオリジナルモデルが中心で、どちらかというとパターンオーダーやビスポーク中心の店舗。だからこそ、オリジナルモデルで少し遊びができるところも強みなのだろう。
リーガルと並ぶ日本の雄であるスコッチグレインの銀座店は、どうもいつもお客さんが多いためか(それだけ繁盛しているので良いのだが)、単に試着をするにも気が引ける。接客待ちのためのリストにも試着という欄がなくて(以前はそうだった。いまではどうなのだろう?)、もう買うのが前提みたいなところがあるし。よく言えば元気な、悪く言えば落ち着かない接客をしているスタッフが多い気もする。接客の方向性はREGAL TOKYOとは別物という感じ。(扱う商品のプライスが違うと言われればそうだが、既成で6万円以上、モノによっては10万円オーバーの靴を売る店である)
トレーディングポストは扱っている商品は結構好みだけれど、若い店員さんが多いせいか、なんとなく靴好きは伝わるけれど、ストイックさが無いような雰囲気があるし、WFGは常連さん向けのお店な気がしてしまい(特に銀座のお店)いつも外様感を感じてしまう。
というわけで、僕は結局REGAL TOKYOが好きなのだ。
並木通りにあった頃のREGAL TOKYOはオールデンが置いてあったりしてちょっとセレクトショップ風な印象を漂わせていた。2Fのビスポークや九分仕立てが置いてあるゾーンは見ていても飽きない感動があった。残念ながらいまはスペースが狭いためか既製の展開はごくごく一部で、他のブランドのものは置いていない。
そのリーガルトーキョーのオリジナルで、このところ立て続けに面白いモデルが出ている。
最近出た10周年記念(まだ10年なの?)モデルは、この10年の歴史と、この先10年見据えたモデルだと思う。Vフロント、パンチドキャップトウなどガチ定番から一歩だけ踏み出したラインナップもまた憎い。
素材もブラックはウェインハイムレダー、茶色はアノネイ、ソールは栃木レザーと気合の入ったモデル。以前もメルクスのボックスカーフを使ったモデルがあったりと、国産タンナー素材の採用があるのも嬉しい。
リーガルトーキョーは5、6万円クラスの靴としてはとても満足度が高い。
このモデルもかなりがっしりとした印象。ちょうどW10BDJのビジネスバージョンと言った感じ。
デザインはごくごくベーシックなパンチドキャップトウやVフロント。やっぱりこのデザイン、ビジネスシーンにマッチする。
シェットランドフォックスとは客層の違いを意識しているのか、全体的に大きめな作りに感じる。たいていはシェットランドフォックスよりハーフサイズ落としてちょうどいいか、それでも余る程度。くるぶしにややあたる感じもあるので、若者に多い細く華奢な足よりはけというよりは年配のゴツイ足向けか。
ただ、サイズを単純に落とすと寸詰まりになりやすく、指にきつさを感じる。01DRCDで緩い人だとハーフサイズ落としてもフィット感は感じられないが、指先がきつくなるはず。僕は10DRCDはかなり履きやすい靴だと思っていて、ハーフサイズ落としたこのモデルでは緩く感じるので、薄め・細めの足だとブカブカしそう。くるぶしのあたりも少し高いので、最近の細い靴では入りきらない足の人にはいいかも。
リーガルはブランドの育て方がイマイチに思える。
ビスポークまでやっているリーガルトーキョーの既製にはビジネスを意識しすぎた実用重視の靴は似合わない。そういう靴こそリーガルブランドで全国展開すればよいし、リーガルトーキョーまでわざわざくるお客さんがそういう靴を求めているとも思えない。「革底でも雨の日履けますけど何か?」「クラシックを理解したいなら当店ですね」くらいの雰囲気を感じたいといつも思う。
そういう意味では最近の「九分仕立てラストの既製靴」や「定番っぽいローファー」が立て続けに出てくるほうがドキドキ感が半端ない。できれば全部ほしい。
せっかくシェットランドフォックスという比較的攻めている既製ブランドを持っているのだから、超定番の安心感をベースに、時々驚くモデルを出すような感じだといいなと個人的には思ってしまう。ロイドのホワイトホールみたいな感じの代表モデルって無いですもん。(BTOもしくは九分がそれなのか?)
このあたり、リーガルのブランドマネージャーさんの手腕なのだろうけれど、実際、リーガルトーキョーは次の10年、何を目指すのでしょう。
銀座には数多くの靴屋があるけれど僕の一つの原点ともいえる。
僕はプロフィールの通り、リーガル系の靴を買うことが多い。なので必然的にREGAL TOKYOと日比谷のシェットランドフォックスに行くことが多いのだけれど、このREGAL TOKYOの接客の質は素晴らしいと思う。
僕はビスポークをしたことが無いし、ここの上得意さんと比べると取るに足らない金額しか使っていないと思うのだけれど、いつも満足できる接客を受ける。特に(最近見ないけど)斉藤さんの接客はスペシャルで、本当に勉強になることが多かった。
最近は日比谷にシェットランドフォックスができたため、REGAL TOKYOではオリジナルモデルが中心で、どちらかというとパターンオーダーやビスポーク中心の店舗。だからこそ、オリジナルモデルで少し遊びができるところも強みなのだろう。
リーガルと並ぶ日本の雄であるスコッチグレインの銀座店は、どうもいつもお客さんが多いためか(それだけ繁盛しているので良いのだが)、単に試着をするにも気が引ける。接客待ちのためのリストにも試着という欄がなくて(以前はそうだった。いまではどうなのだろう?)、もう買うのが前提みたいなところがあるし。よく言えば元気な、悪く言えば落ち着かない接客をしているスタッフが多い気もする。接客の方向性はREGAL TOKYOとは別物という感じ。(扱う商品のプライスが違うと言われればそうだが、既成で6万円以上、モノによっては10万円オーバーの靴を売る店である)
トレーディングポストは扱っている商品は結構好みだけれど、若い店員さんが多いせいか、なんとなく靴好きは伝わるけれど、ストイックさが無いような雰囲気があるし、WFGは常連さん向けのお店な気がしてしまい(特に銀座のお店)いつも外様感を感じてしまう。
というわけで、僕は結局REGAL TOKYOが好きなのだ。
並木通りにあった頃のREGAL TOKYOはオールデンが置いてあったりしてちょっとセレクトショップ風な印象を漂わせていた。2Fのビスポークや九分仕立てが置いてあるゾーンは見ていても飽きない感動があった。残念ながらいまはスペースが狭いためか既製の展開はごくごく一部で、他のブランドのものは置いていない。
そのリーガルトーキョーのオリジナルで、このところ立て続けに面白いモデルが出ている。
最近出た10周年記念(まだ10年なの?)モデルは、この10年の歴史と、この先10年見据えたモデルだと思う。Vフロント、パンチドキャップトウなどガチ定番から一歩だけ踏み出したラインナップもまた憎い。
素材もブラックはウェインハイムレダー、茶色はアノネイ、ソールは栃木レザーと気合の入ったモデル。以前もメルクスのボックスカーフを使ったモデルがあったりと、国産タンナー素材の採用があるのも嬉しい。
リーガルトーキョーは5、6万円クラスの靴としてはとても満足度が高い。
このモデルもかなりがっしりとした印象。ちょうどW10BDJのビジネスバージョンと言った感じ。
デザインはごくごくベーシックなパンチドキャップトウやVフロント。やっぱりこのデザイン、ビジネスシーンにマッチする。
シェットランドフォックスとは客層の違いを意識しているのか、全体的に大きめな作りに感じる。たいていはシェットランドフォックスよりハーフサイズ落としてちょうどいいか、それでも余る程度。くるぶしにややあたる感じもあるので、若者に多い細く華奢な足よりはけというよりは年配のゴツイ足向けか。
ただ、サイズを単純に落とすと寸詰まりになりやすく、指にきつさを感じる。01DRCDで緩い人だとハーフサイズ落としてもフィット感は感じられないが、指先がきつくなるはず。僕は10DRCDはかなり履きやすい靴だと思っていて、ハーフサイズ落としたこのモデルでは緩く感じるので、薄め・細めの足だとブカブカしそう。くるぶしのあたりも少し高いので、最近の細い靴では入りきらない足の人にはいいかも。
リーガルはブランドの育て方がイマイチに思える。
ビスポークまでやっているリーガルトーキョーの既製にはビジネスを意識しすぎた実用重視の靴は似合わない。そういう靴こそリーガルブランドで全国展開すればよいし、リーガルトーキョーまでわざわざくるお客さんがそういう靴を求めているとも思えない。「革底でも雨の日履けますけど何か?」「クラシックを理解したいなら当店ですね」くらいの雰囲気を感じたいといつも思う。
そういう意味では最近の「九分仕立てラストの既製靴」や「定番っぽいローファー」が立て続けに出てくるほうがドキドキ感が半端ない。できれば全部ほしい。
せっかくシェットランドフォックスという比較的攻めている既製ブランドを持っているのだから、超定番の安心感をベースに、時々驚くモデルを出すような感じだといいなと個人的には思ってしまう。ロイドのホワイトホールみたいな感じの代表モデルって無いですもん。(BTOもしくは九分がそれなのか?)
このあたり、リーガルのブランドマネージャーさんの手腕なのだろうけれど、実際、リーガルトーキョーは次の10年、何を目指すのでしょう。
2015年2月9日月曜日
ビジネスシーンでのド定番「白シャツ」
たまにはちょっと靴以外のことを書いてみます。
靴に関しても素人ですが、ファッション全般素人なので、単純に自分の「思い」を書いてみようと思います。
ビジネスシューズの定石がストレートチップ(キャップトウ)であるなら、シャツのド定番といえばホワイトのセミワイドシャツではないかと思う。ブラックのストレートチップを持っているような人であれば、ホワイトのシャツもワードローブにあるのではないかと思う。
白地ブロードのセミワイドシャツなんて若い人には見向きもされないのかもしれないけれど、そうした若い人たちが高齢者と呼ばれるようになる時代でも、間違いなくこのデザインは残っているだろう。
僕が社会人デビューした時、自分にいくつかのルールを課した。
そのひとつが「クラシックな定番スタイルを心がけること」だった。
真の意味のクラシックということになると、スーツはブリオーニ、シャツはフライあたりになってしまうので、全体のトーンをクラシック志向にしていただけなんですが。
靴であればブラックのカーフで作られたグッドイヤーウェルテッド
シャツであればホワイト無地でコットン100%
タイはシルク100%ネイビー系のストライプとエンジのレジメンタル
スーツはネイビーとチャコールグレーの無地3つボタン(当時は3つボタンが主流)でウール100%
ベルトや靴下、カバンはすべてブラックで統一
いま思えば靴のチョイスが少し甘い(本来であればストレートチップのみ買うべきだった)けれど、自分なりのルールを決めてセンスを確立したいというのが強かった。
よく言われる「型破りなスタイル」というものは、型ができている人がさらにその上に到達する状態であって、破るべき型がなければ「形無し」か、せいぜい「型崩れ」になってしまう。
そんななかでももっとも重要なこだわりだったのがホワイトのシャツ。
僕は入社して最初の1年間は白いシャツ、なかでもブロードかピンポイントオクスフォードしか着ないと決めていた。
ホワイトのシャツはタイとスーツを選ばない。逆に言えばタイとスーツの関係をより明確にする。これまでタイとスーツを身につけるような機会が無かった僕は、まずは全体のトーンを決めるこのふたつについて自分なりの型を作りたかった。それまでスーツを来たことがなかった僕にとって、組み合わせはシンプルな方がいい。
ホワイトのシャツばかり揃えれば、きちんと洗濯とアイロンがけをしているという前提であれば、手持ちが少なくてもあまり少ないように見えないというメリットもある。色違い、デザイン違いばかりを揃えるからかえって少なさが目立つ。(「あ、それ一昨日も着てたよね!」)
ホワイトのシャツは正装で、ビジネスには薄いブルーあたりが合う、なんて記事をたまに見かける。これは真のクラシックという意味ではそうなのかもしれないけれど、ここは日本。ワイシャツの語源はホワイトシャツという話もあるくらいで、ビジネスシーンのド定番はホワイトのシャツ。TPOのPを意識したら、新人はホワイトシャツ以外の選択肢は無いと思っていた。(いまでもそう思っている)
シャツは靴と違って方向性のバリエーションが大きい。
前立や襟の内側だけ色が変わっていたり、ボタンホールやボタンを留める糸が色違いだったり、襟が極端に大きかったりと。
で、なぜかそういうデコラティブなものが「格好いいい」と思われる傾向にある。
侘び寂び文化である日本人の感性からすれば見た目の派手よりも、伝統に裏打ちされた形や素材の質感や肌触り、それらが織りなすドレープの美しさといった、引き算をし尽くしてもなお残る良さが求められてもおかしくないのに、いまは何かを付け加えた足し算デザインのほうが評価されるきらいがある。
確かに僕自身、中学生くらいの頃はわかりやすい差別化に憧れていた時期もあったのは事実。でもやっぱり大人になるに連れてそういう差別化が逆に恥ずかしくなって、むしろ「同じようだけれどなにか違う」という素材とか、作りなどのちょっとした差別化であったり、自分にあったサイズ、フィット感や着やすさのほうを好むようになった。
ホワイトのシャツと一口に言っても、生地(織り)によって表情ががらっと変わる。
ブロードと高番手ツイルはドレス寄りなので、きっちりした場所に出るときのためワードローブに欠かせないし、ピンポイントオクスフォードやドビーストライプなどはビジネスシーンに使いやすい。
オクスフォードや鹿の子になるとボタンダウンでざっくりと着こなすのに向いてくる。夏にシャツがベッタリというのも少ない。
もし僕がホワイトシャツを3枚だけ選べと言われたら、次の組み合わせになると思う。
・ 高番手ツイルのセミワイドカラー
・ ピンポイントオクスフォードのセミワイドカラー
・ ドビーストライプのセミワイド若しくはウインザーカラー
高番手ツイルはドレープもきれいに出るし、ブロードより透けない感じがするので主にドレス・ビジネス兼用。ピンポイントオクスフォードはビジネスド定番。全年齢層に受けがいい。ドビーストライプは無地のスーツに合わせると映える。
いまは、僕は靴とは違ってシャツは少しだけ冒険するので、ピンクのクレリックとかブルーのストライプを着る。僕の職場はオフィスカジュアルまでOKなので、この程度は許される。ただ、お客様先に出向くときはホワイト系のシャツが多くなる。この辺り、歳とともにTPOの塩梅が掴めてきたことと、自分の会社の社風などを踏まえてシャツを選択するようにしている。
最近のお気に入りは「土井縫工所」(通称土井シャツ)
ここのダーツモデルはややタイトな作りで、締めるところを締めている。そして袖(裄丈)がちょうどいい長さなのが気に入っている。
日本製のシャツは丁寧な作りのものが多いとは思うけれど、どうしてなのか全て袖が短い。コンブリオや鎌倉シャツの上位ラインはつくりや素材感は気に入っているのだけれど、袖が短くてスーツに合わない。スーツから少しシャツを出すには、ボタンを止める前の段階である程度ゆとりがないと長さが足りない。
土井シャツのレギュラーモデルは日本製生地(敷島綿布)を使って日本で縫製している。本縫い、ガゼット、白蝶貝ボタンといった本格仕様で約7千円。
素材の敷島綿布は他のブロードよりも気持ちしわになりにくいかな。同じブロードなら鎌倉シャツの新彊綿よりははるかにアイロンがかけやすい。織りでいうなら刷毛目のシャツはすぐにしわが伸びるので、朝忙しい時にアイロンがけしなければならない時などは結構重宝する。襟や袖口の芯地も鎌倉シャツよりは耐久性が高い。洗濯を繰り返してもアイロンがけで結構ハリが出る。2年くらい前からはほぼビジネスシャツは土井シャツで買うようになってしまった。(それまでは鎌倉シャツが多かった)
土井シャツも鎌倉シャツもどちらも良いシャツだと思う。全体的なイメージで言えば、かっちり系の土井シャツに、ふんわり系の鎌倉シャツという感じ。
ただ、土井シャツはかっちりと言っても、アームホール、ヨーク、背中のダーツが立体的に縫われていることが分かる。単にベタッとアイロンをかけると生地が余ってしわになるので。日本製の生地を日本国内でていねいに縫製しているという個人的にはドンピシャのシャツメーカー。
シャツは靴よりもはるかに耐用年数が短いので、思い切って高いものを買ってみようかと思いながらも、やっぱり適度なプライスで安心して買うことができるところばかりを買ってしまう。靴ならば3万円辺りに大きな境目があるような気がするけれど、シャツは5,000円位にあるような気がする。この辺りから貝ボタンだったり、伏せ縫いだったり、生地の番手が上がってくる。逆に1万円を超えてくるとさらに高番手になり肌触りは良くなる一方で、取り扱いに気を使うようになる。シャツは1回着るごとに洗うものだから、あまり深く考えないで洗濯できるものが僕の好み。また、買い替え頻度がいちばん高いものだからこそ、定番をいつも買うことができるいう安心感を重視している。
なんだかんだで定番と言われているものは飽きが来ないし、何年か経って昔の写真を見る機会があっても恥ずかしくない。たまに冒険しない人生はつまらないけれど、クラシックなモノに囲まれるほうが自分には合っている気がする。
靴に関しても素人ですが、ファッション全般素人なので、単純に自分の「思い」を書いてみようと思います。
ビジネスシューズの定石がストレートチップ(キャップトウ)であるなら、シャツのド定番といえばホワイトのセミワイドシャツではないかと思う。ブラックのストレートチップを持っているような人であれば、ホワイトのシャツもワードローブにあるのではないかと思う。
白地ブロードのセミワイドシャツなんて若い人には見向きもされないのかもしれないけれど、そうした若い人たちが高齢者と呼ばれるようになる時代でも、間違いなくこのデザインは残っているだろう。
僕が社会人デビューした時、自分にいくつかのルールを課した。
そのひとつが「クラシックな定番スタイルを心がけること」だった。
真の意味のクラシックということになると、スーツはブリオーニ、シャツはフライあたりになってしまうので、全体のトーンをクラシック志向にしていただけなんですが。
靴であればブラックのカーフで作られたグッドイヤーウェルテッド
シャツであればホワイト無地でコットン100%
タイはシルク100%ネイビー系のストライプとエンジのレジメンタル
スーツはネイビーとチャコールグレーの無地3つボタン(当時は3つボタンが主流)でウール100%
ベルトや靴下、カバンはすべてブラックで統一
いま思えば靴のチョイスが少し甘い(本来であればストレートチップのみ買うべきだった)けれど、自分なりのルールを決めてセンスを確立したいというのが強かった。
よく言われる「型破りなスタイル」というものは、型ができている人がさらにその上に到達する状態であって、破るべき型がなければ「形無し」か、せいぜい「型崩れ」になってしまう。
そんななかでももっとも重要なこだわりだったのがホワイトのシャツ。
僕は入社して最初の1年間は白いシャツ、なかでもブロードかピンポイントオクスフォードしか着ないと決めていた。
ホワイトのシャツはタイとスーツを選ばない。逆に言えばタイとスーツの関係をより明確にする。これまでタイとスーツを身につけるような機会が無かった僕は、まずは全体のトーンを決めるこのふたつについて自分なりの型を作りたかった。それまでスーツを来たことがなかった僕にとって、組み合わせはシンプルな方がいい。
ホワイトのシャツばかり揃えれば、きちんと洗濯とアイロンがけをしているという前提であれば、手持ちが少なくてもあまり少ないように見えないというメリットもある。色違い、デザイン違いばかりを揃えるからかえって少なさが目立つ。(「あ、それ一昨日も着てたよね!」)
ホワイトのシャツは正装で、ビジネスには薄いブルーあたりが合う、なんて記事をたまに見かける。これは真のクラシックという意味ではそうなのかもしれないけれど、ここは日本。ワイシャツの語源はホワイトシャツという話もあるくらいで、ビジネスシーンのド定番はホワイトのシャツ。TPOのPを意識したら、新人はホワイトシャツ以外の選択肢は無いと思っていた。(いまでもそう思っている)
シャツは靴と違って方向性のバリエーションが大きい。
前立や襟の内側だけ色が変わっていたり、ボタンホールやボタンを留める糸が色違いだったり、襟が極端に大きかったりと。
で、なぜかそういうデコラティブなものが「格好いいい」と思われる傾向にある。
侘び寂び文化である日本人の感性からすれば見た目の派手よりも、伝統に裏打ちされた形や素材の質感や肌触り、それらが織りなすドレープの美しさといった、引き算をし尽くしてもなお残る良さが求められてもおかしくないのに、いまは何かを付け加えた足し算デザインのほうが評価されるきらいがある。
確かに僕自身、中学生くらいの頃はわかりやすい差別化に憧れていた時期もあったのは事実。でもやっぱり大人になるに連れてそういう差別化が逆に恥ずかしくなって、むしろ「同じようだけれどなにか違う」という素材とか、作りなどのちょっとした差別化であったり、自分にあったサイズ、フィット感や着やすさのほうを好むようになった。
ホワイトのシャツと一口に言っても、生地(織り)によって表情ががらっと変わる。
ブロードと高番手ツイルはドレス寄りなので、きっちりした場所に出るときのためワードローブに欠かせないし、ピンポイントオクスフォードやドビーストライプなどはビジネスシーンに使いやすい。
オクスフォードや鹿の子になるとボタンダウンでざっくりと着こなすのに向いてくる。夏にシャツがベッタリというのも少ない。
もし僕がホワイトシャツを3枚だけ選べと言われたら、次の組み合わせになると思う。
・ 高番手ツイルのセミワイドカラー
・ ピンポイントオクスフォードのセミワイドカラー
・ ドビーストライプのセミワイド若しくはウインザーカラー
高番手ツイルはドレープもきれいに出るし、ブロードより透けない感じがするので主にドレス・ビジネス兼用。ピンポイントオクスフォードはビジネスド定番。全年齢層に受けがいい。ドビーストライプは無地のスーツに合わせると映える。
いまは、僕は靴とは違ってシャツは少しだけ冒険するので、ピンクのクレリックとかブルーのストライプを着る。僕の職場はオフィスカジュアルまでOKなので、この程度は許される。ただ、お客様先に出向くときはホワイト系のシャツが多くなる。この辺り、歳とともにTPOの塩梅が掴めてきたことと、自分の会社の社風などを踏まえてシャツを選択するようにしている。
最近のお気に入りは「土井縫工所」(通称土井シャツ)
ここのダーツモデルはややタイトな作りで、締めるところを締めている。そして袖(裄丈)がちょうどいい長さなのが気に入っている。
日本製のシャツは丁寧な作りのものが多いとは思うけれど、どうしてなのか全て袖が短い。コンブリオや鎌倉シャツの上位ラインはつくりや素材感は気に入っているのだけれど、袖が短くてスーツに合わない。スーツから少しシャツを出すには、ボタンを止める前の段階である程度ゆとりがないと長さが足りない。
土井シャツのレギュラーモデルは日本製生地(敷島綿布)を使って日本で縫製している。本縫い、ガゼット、白蝶貝ボタンといった本格仕様で約7千円。
素材の敷島綿布は他のブロードよりも気持ちしわになりにくいかな。同じブロードなら鎌倉シャツの新彊綿よりははるかにアイロンがかけやすい。織りでいうなら刷毛目のシャツはすぐにしわが伸びるので、朝忙しい時にアイロンがけしなければならない時などは結構重宝する。襟や袖口の芯地も鎌倉シャツよりは耐久性が高い。洗濯を繰り返してもアイロンがけで結構ハリが出る。2年くらい前からはほぼビジネスシャツは土井シャツで買うようになってしまった。(それまでは鎌倉シャツが多かった)
土井シャツも鎌倉シャツもどちらも良いシャツだと思う。全体的なイメージで言えば、かっちり系の土井シャツに、ふんわり系の鎌倉シャツという感じ。
ただ、土井シャツはかっちりと言っても、アームホール、ヨーク、背中のダーツが立体的に縫われていることが分かる。単にベタッとアイロンをかけると生地が余ってしわになるので。日本製の生地を日本国内でていねいに縫製しているという個人的にはドンピシャのシャツメーカー。
シャツは靴よりもはるかに耐用年数が短いので、思い切って高いものを買ってみようかと思いながらも、やっぱり適度なプライスで安心して買うことができるところばかりを買ってしまう。靴ならば3万円辺りに大きな境目があるような気がするけれど、シャツは5,000円位にあるような気がする。この辺りから貝ボタンだったり、伏せ縫いだったり、生地の番手が上がってくる。逆に1万円を超えてくるとさらに高番手になり肌触りは良くなる一方で、取り扱いに気を使うようになる。シャツは1回着るごとに洗うものだから、あまり深く考えないで洗濯できるものが僕の好み。また、買い替え頻度がいちばん高いものだからこそ、定番をいつも買うことができるいう安心感を重視している。
なんだかんだで定番と言われているものは飽きが来ないし、何年か経って昔の写真を見る機会があっても恥ずかしくない。たまに冒険しない人生はつまらないけれど、クラシックなモノに囲まれるほうが自分には合っている気がする。
2015年1月31日土曜日
プレーントウについて思いを語ってみる
ブラックのプレーントウ。
30代後半以上で革靴好きの人であれば一度は足を入れたことがあると思われる靴。
僕のフレッシュマン時代の憧れの靴のひとつはオールデンのプレーントウだった。
プレーントウ (Plain Toe)は読んで字のごとく、飾りのないシンプルな(プレーンな)つま先を持つ靴。
"Plain"なのだから「プレイントウ」のほうが本来の発音に近いとは思うのだけれど、一般的にはプレーントウと書かれることが多い(「プレーントゥ」も多い)ので、今回はプレーントウと書くことにする。
日本でよく見るフレッシュマンのビジネススタイル指南によると、外羽根プレーントウは必ず最初の3足、その中でもいの一番にそろえるべき靴として挙げられている事が多い。
このあたりは少なくとも僕の知るところである二十数年前から一貫して変わっていない。
トウにメダリオンなどの装飾がないあまりにも単純なデザインであるため、靴(ラスト)の形が如実に印象に直結する。
ラウンド寄りになるほどやさしさと温かさを感じるし、シャープになるほどクール(デザインによっては攻撃的)な雰囲気を醸し出す。
お手入れし易い、外羽根によりサイズの調整がし易い、クールビズなどのややラフなスタイルにも合いやすいとオールマイティに思われがちな靴。しかし、僕は思う。
「プレーントウは難しい」
ビジネスシーンでブラックのプレーントウを格好良く履きこなすのは相当の洒落者でないと無理ではないか、と思えてならない。
デザインレスなスタイルは一見何にでも合いそうではあるけれど、足元はスーツスタイルの中で一番下に位置するためにその部分がシンプルすぎると心許ない感じなってしまう。
アクセントが無く、表情を出しにくいプレーントウ。ラウンドトウならなおさら。
僕はどちらかと言うと薄手の繊細な生地で作られたスーツが好きなので、プレーントウも必然的にドレス寄りのものになる。
ドレスを意識すればするほど全体的なコーディネートにおける足元、という意味ではキャップトウにはかなわない感じが増してくるし、少しカジュアル寄りに持って行こうとするとスーツスタイルにはブローグのほうがしっくり来る。
街でビジネスパーソンの靴を見てみると、スーツに運動靴みたいな人を除くとブラックはツーシームとUチップが圧倒的に多くて、ドレス系のプレーントウを履いている人は殆ど見かけない。たまに見かけるプレーントウはソールがゴツメのワークブーツ寄りな人が多い。
レザーソールのブラックなプレーントウに出会う確率はコードバンのセミブローグに出会う確率と同じくらい少ない。
ま、そもそもレザーソールかつカーフ素材の黒いプレーントウってなかなか売ってませんもん。
売っていなくは無いのだけれど、ブランドの中でもやや控えめなグループに用意されていたりで、フラッグシップ扱いになっていることが少ない。(だからオールデンの人気がでるのかも?)
こういったシンプルなものは一般的には「格好いい」と思われにくい。
デコラティブな方が一般的には「デザインがある=仕事している=格好いい」に思われやすく、プレーントウのような何の飾りもないものは安物っぽく思われがち。
最近の若い人の間ではそれほど支持のあるデザインでもないだろうし、逆に靴好きは最初のころにプレーントウを買って、買い増しはキャップトウやブローグに走るだろうからそれほど販売数量も期待できないと思われる。
おまけにプレーントウはきちんと手入れをしないと途端にみすぼらしくなる。汚れがデザインの代わりになって靴を目立たせてしまう。つま先がちょっと擦れてしまうともう目立つのなんの。
プレーントウは「フレッシュマンが初めにそろえるべき靴」とみんなが言うので、靴に興味がある人は比較的初期に手を出す。現在手に入るレザーソールのプレーントウが3万円台に多いのも、フレッシュマンががんばって買えるプライスゾーンというところか。
年齢が上がるにつれキャップトウやブローグ系の靴の使い勝手がよくなるので、経済的に余裕が出てきたあたりでは結局買い増ししない。だからイルチアのプレーントウなんて存在しなかったわけだ。
最初に買ったグッドイヤーウェルテッドの靴は2235NAで、赤茶のプレーントウ。次はウォークオーバーのスエード靴、次はアルフレッドサージェント製のブラックのホールカットで、その後やっと外羽根5穴プレーントウ。
特にこの外羽プレーントウは僕自身が経済的に厳しかった時期に買ったこともあって、結構酷使してしまった。ソールに穴が開いて初めて修理に出すといった感じで。
その後歳を重ねるごとにキャップトウが僕の中でのスタンダードになり、プレーントウの登板機会は減っていった。一時期はキャップトウ9割、他ブローグ系1割みたいな感じで、プレーントウは出番なしという月も多くなった。
ところが最近、なぜかプレーントウが格好良く思えてきた。
究極に突き詰めていくとシンプルというものがいちばん難しく、故に格好良い。そう思って改めてブラックのプレーントウを履いてみるとまだまだ自分の至らなさを感じて不思議な気持ちになる靴でもある。だからこそ思う。
「プレーントウは奥が深い」
ていねいにお手入れされて履きこまれたプレーントウは水面のような輝きを見せる。黒い宝石のような輝きを出しながらそれ以上の主張をしない佇まいはこのデザインならでは。
やや細身の無地スーツに磨きこまれたドレス寄りのプレーントウを合わせるといったきわめてシンプルなスタイルこそが内面をきちんと映しだしてくれるのではないかと。
つま先を磨きこんで少し立体感を出しても面白いし、逆にプレーントウのプレーンさを強調するために全体を同じトーンで仕上げてもそれはそれで格好良い。
なんて思いながらプレーントウをもう少し見直してみようと思った土曜日でした。
30代後半以上で革靴好きの人であれば一度は足を入れたことがあると思われる靴。
僕のフレッシュマン時代の憧れの靴のひとつはオールデンのプレーントウだった。
プレーントウ (Plain Toe)は読んで字のごとく、飾りのないシンプルな(プレーンな)つま先を持つ靴。
"Plain"なのだから「プレイントウ」のほうが本来の発音に近いとは思うのだけれど、一般的にはプレーントウと書かれることが多い(「プレーントゥ」も多い)ので、今回はプレーントウと書くことにする。
日本でよく見るフレッシュマンのビジネススタイル指南によると、外羽根プレーントウは必ず最初の3足、その中でもいの一番にそろえるべき靴として挙げられている事が多い。
このあたりは少なくとも僕の知るところである二十数年前から一貫して変わっていない。
トウにメダリオンなどの装飾がないあまりにも単純なデザインであるため、靴(ラスト)の形が如実に印象に直結する。
ラウンド寄りになるほどやさしさと温かさを感じるし、シャープになるほどクール(デザインによっては攻撃的)な雰囲気を醸し出す。
お手入れし易い、外羽根によりサイズの調整がし易い、クールビズなどのややラフなスタイルにも合いやすいとオールマイティに思われがちな靴。しかし、僕は思う。
「プレーントウは難しい」
ビジネスシーンでブラックのプレーントウを格好良く履きこなすのは相当の洒落者でないと無理ではないか、と思えてならない。
デザインレスなスタイルは一見何にでも合いそうではあるけれど、足元はスーツスタイルの中で一番下に位置するためにその部分がシンプルすぎると心許ない感じなってしまう。
アクセントが無く、表情を出しにくいプレーントウ。ラウンドトウならなおさら。
僕はどちらかと言うと薄手の繊細な生地で作られたスーツが好きなので、プレーントウも必然的にドレス寄りのものになる。
ドレスを意識すればするほど全体的なコーディネートにおける足元、という意味ではキャップトウにはかなわない感じが増してくるし、少しカジュアル寄りに持って行こうとするとスーツスタイルにはブローグのほうがしっくり来る。
街でビジネスパーソンの靴を見てみると、スーツに運動靴みたいな人を除くとブラックはツーシームとUチップが圧倒的に多くて、ドレス系のプレーントウを履いている人は殆ど見かけない。たまに見かけるプレーントウはソールがゴツメのワークブーツ寄りな人が多い。
レザーソールのブラックなプレーントウに出会う確率はコードバンのセミブローグに出会う確率と同じくらい少ない。
ま、そもそもレザーソールかつカーフ素材の黒いプレーントウってなかなか売ってませんもん。
売っていなくは無いのだけれど、ブランドの中でもやや控えめなグループに用意されていたりで、フラッグシップ扱いになっていることが少ない。(だからオールデンの人気がでるのかも?)
こういったシンプルなものは一般的には「格好いい」と思われにくい。
デコラティブな方が一般的には「デザインがある=仕事している=格好いい」に思われやすく、プレーントウのような何の飾りもないものは安物っぽく思われがち。
最近の若い人の間ではそれほど支持のあるデザインでもないだろうし、逆に靴好きは最初のころにプレーントウを買って、買い増しはキャップトウやブローグに走るだろうからそれほど販売数量も期待できないと思われる。
おまけにプレーントウはきちんと手入れをしないと途端にみすぼらしくなる。汚れがデザインの代わりになって靴を目立たせてしまう。つま先がちょっと擦れてしまうともう目立つのなんの。
プレーントウは「フレッシュマンが初めにそろえるべき靴」とみんなが言うので、靴に興味がある人は比較的初期に手を出す。現在手に入るレザーソールのプレーントウが3万円台に多いのも、フレッシュマンががんばって買えるプライスゾーンというところか。
年齢が上がるにつれキャップトウやブローグ系の靴の使い勝手がよくなるので、経済的に余裕が出てきたあたりでは結局買い増ししない。だからイルチアのプレーントウなんて存在しなかったわけだ。
僕個人のプレーントウとの付き合いで言えば、カジュアルのほうが長い。
最初に買ったグッドイヤーウェルテッドの靴は2235NAで、赤茶のプレーントウ。次はウォークオーバーのスエード靴、次はアルフレッドサージェント製のブラックのホールカットで、その後やっと外羽根5穴プレーントウ。
特にこの外羽プレーントウは僕自身が経済的に厳しかった時期に買ったこともあって、結構酷使してしまった。ソールに穴が開いて初めて修理に出すといった感じで。
その後歳を重ねるごとにキャップトウが僕の中でのスタンダードになり、プレーントウの登板機会は減っていった。一時期はキャップトウ9割、他ブローグ系1割みたいな感じで、プレーントウは出番なしという月も多くなった。
ところが最近、なぜかプレーントウが格好良く思えてきた。
究極に突き詰めていくとシンプルというものがいちばん難しく、故に格好良い。そう思って改めてブラックのプレーントウを履いてみるとまだまだ自分の至らなさを感じて不思議な気持ちになる靴でもある。だからこそ思う。
「プレーントウは奥が深い」
ていねいにお手入れされて履きこまれたプレーントウは水面のような輝きを見せる。黒い宝石のような輝きを出しながらそれ以上の主張をしない佇まいはこのデザインならでは。
やや細身の無地スーツに磨きこまれたドレス寄りのプレーントウを合わせるといったきわめてシンプルなスタイルこそが内面をきちんと映しだしてくれるのではないかと。
つま先を磨きこんで少し立体感を出しても面白いし、逆にプレーントウのプレーンさを強調するために全体を同じトーンで仕上げてもそれはそれで格好良い。
なんて思いながらプレーントウをもう少し見直してみようと思った土曜日でした。
2014年12月23日火曜日
W10BDJ - The Best Buy of 2014
僕がもし今年のベストバイを選ぶとしたら、悩む靴は多いけれど、やっぱりこれになる。
W10BDJ。
カントリー仕様の国産フルブローグ。
トリッカーズのカントリーラインに似ているけれど、日本の職人さんがあくまで既製靴の枠内で、本格的なカントリー仕様のフルブローグを作ったらここまでできる、を具現化した靴。
Offの日はかなりの割合でこのW10BDJを履いた。
軽く雨に降られることもあったけれど、今のところ目立ったシミもないし、国産キップのアッパーは比較的質が良いのか、革が硬くなるようなことも無い。
始めは自分の個体があたりなのかもしれないと思っていたけれど、ブログで紹介されているW10BDJはみんな結構きれいにしわが入っている。BOSの国産キップ(ブラック)のしわとは異なっていて、あまり目立たない。日本のタンナーでも市場があれば良い物を作ることができる実力があるのに、と思えてならない。
ちなみにこの靴、アッパーはBootBlackのニュートラルクリームだけでお手入れしている。
靴のコンセプトもあって、少し大きく緩い作りになっているものの、シェットランドフォックスあたりからハーフサイズ落とせば十分フィットする。
W10BDJはやっぱりこのタン色がいい。
カントリーテイストで気楽なoffに履くには明るい色のほうが肩の力が抜ける。経年による色合いの変化も楽しみだし。
僕は今のところニュートラルでお手入れをしているので、それほど変化がない。今後少しずつ汚れたり傷ついたりして深みが増していくのだろうか。
傷ついても気にしない。
雨に降られても気にしない。(お手入れはする)
ソールが減っても気にしない。(適度にリペアする)
そういう靴。
最初のうち、減りが早いと思っていたつま先も、返りがよくなったのか落ち着いてきた感じ。
ソールは適度にメンテナンスしているのでひび割れなども無い。
唯一気になるのは、2235NAのようなド定番ではないので、いつかは終売してしまうのではないかということ。
2235NAがリーガルの歴史を象徴するアイコンであるなら、W10BDJはリーガルの底力を示す靴で、こういう靴は細々とでも良いので長続きして欲しい。
先日、イギリスのウイスキーガイドブックでサントリーの山崎(シングルモルト・シェリーカスク2013)が世界最高のウイスキーに選ばれた。マッサンでピリピリしているサントリーにとってはこの上ない良いニュースだったと思う。
僕は靴と同様素人なりにウイスキーが好きで、しかもこちらもジャパニーズ派なのだけれど、日本のウイスキーは発祥の地イギリスのものとは決定的に違う良さがある。どちらがいい悪いではなくて、どちらもいい。方向性が違うだけ。トリッカーズのBurtonにはラフロイグが合うけれど、W10BDJにはサントリーオールドのほうがしっくりとくる、という感じ。(印象の話であってモルトドレッシングの話ではないです、念のため)
評価はある一定の基準でなされるわけで、その基準で評価が高ければ絶対的に良いというわけではない。逆に言えばある基準での評価が低くても、そのもの自体が完全に劣っているというわけでもない。とはいえ、ウイスキーという長い歴史があって世界的にマニアがいるカテゴリーでジャパニーズウイスキーが世界一の評価を受けたという事実は、歴史的なビハインドがあったとしても、確固たる信念を持って取り組みつづけることで、認められることもあるということを示していると思う。
W10BDJも、表面的なところだけを見ればイギリス靴のコピーのように思えてしまうけれど、見れば見るほど日本の靴作りが世界に通用出来るということを示していると感じる。こういう靴が長く続くことで、日本の靴がもっと世界で評価されるのでは無いだろうか。
来年はどんなモデルが出るのかな。01DRCDが気持ちシェイプされてソールが栃木レザーのハーフミッドソールなんてモデルが出たら気絶するかも。
今回ベタ褒めですけど、個人的に今年の The Best Shoes と思っている靴なので許してください。
W10BDJ。
カントリー仕様の国産フルブローグ。
トリッカーズのカントリーラインに似ているけれど、日本の職人さんがあくまで既製靴の枠内で、本格的なカントリー仕様のフルブローグを作ったらここまでできる、を具現化した靴。
Offの日はかなりの割合でこのW10BDJを履いた。
軽く雨に降られることもあったけれど、今のところ目立ったシミもないし、国産キップのアッパーは比較的質が良いのか、革が硬くなるようなことも無い。
始めは自分の個体があたりなのかもしれないと思っていたけれど、ブログで紹介されているW10BDJはみんな結構きれいにしわが入っている。BOSの国産キップ(ブラック)のしわとは異なっていて、あまり目立たない。日本のタンナーでも市場があれば良い物を作ることができる実力があるのに、と思えてならない。
ちなみにこの靴、アッパーはBootBlackのニュートラルクリームだけでお手入れしている。
靴のコンセプトもあって、少し大きく緩い作りになっているものの、シェットランドフォックスあたりからハーフサイズ落とせば十分フィットする。
W10BDJはやっぱりこのタン色がいい。
カントリーテイストで気楽なoffに履くには明るい色のほうが肩の力が抜ける。経年による色合いの変化も楽しみだし。
僕は今のところニュートラルでお手入れをしているので、それほど変化がない。今後少しずつ汚れたり傷ついたりして深みが増していくのだろうか。
傷ついても気にしない。
雨に降られても気にしない。(お手入れはする)
ソールが減っても気にしない。(適度にリペアする)
そういう靴。
最初のうち、減りが早いと思っていたつま先も、返りがよくなったのか落ち着いてきた感じ。
ソールは適度にメンテナンスしているのでひび割れなども無い。
唯一気になるのは、2235NAのようなド定番ではないので、いつかは終売してしまうのではないかということ。
2235NAがリーガルの歴史を象徴するアイコンであるなら、W10BDJはリーガルの底力を示す靴で、こういう靴は細々とでも良いので長続きして欲しい。
先日、イギリスのウイスキーガイドブックでサントリーの山崎(シングルモルト・シェリーカスク2013)が世界最高のウイスキーに選ばれた。マッサンでピリピリしているサントリーにとってはこの上ない良いニュースだったと思う。
僕は靴と同様素人なりにウイスキーが好きで、しかもこちらもジャパニーズ派なのだけれど、日本のウイスキーは発祥の地イギリスのものとは決定的に違う良さがある。どちらがいい悪いではなくて、どちらもいい。方向性が違うだけ。トリッカーズのBurtonにはラフロイグが合うけれど、W10BDJにはサントリーオールドのほうがしっくりとくる、という感じ。(印象の話であってモルトドレッシングの話ではないです、念のため)
評価はある一定の基準でなされるわけで、その基準で評価が高ければ絶対的に良いというわけではない。逆に言えばある基準での評価が低くても、そのもの自体が完全に劣っているというわけでもない。とはいえ、ウイスキーという長い歴史があって世界的にマニアがいるカテゴリーでジャパニーズウイスキーが世界一の評価を受けたという事実は、歴史的なビハインドがあったとしても、確固たる信念を持って取り組みつづけることで、認められることもあるということを示していると思う。
W10BDJも、表面的なところだけを見ればイギリス靴のコピーのように思えてしまうけれど、見れば見るほど日本の靴作りが世界に通用出来るということを示していると感じる。こういう靴が長く続くことで、日本の靴がもっと世界で評価されるのでは無いだろうか。
今回ベタ褒めですけど、個人的に今年の The Best Shoes と思っている靴なので許してください。
2014年12月6日土曜日
革靴のサイズ選び
日本の靴屋さんの多くは、おそらく何も言わなければ緩めのサイズを勧める傾向がある。
それもそのはず、たいていの靴のクレームはサイズが大きいことよりも小さいものを買わされたという方が多いからだ。
ネットでも小さめの靴を返品したということが得意気に書かれていたりする。
まぁ、実際に店員さんがサイズミスをした可能性もあるのだけれど、まともなお店ならば試履して少しは歩くことを勧めるわけで、歩けないほどひどい靴を買う人はいないだろうから、やっぱり買った時点ではそれほど間違ったサイズではなかったのではないだろうかと思う。
革靴を何足も持っていて、自分なりにサイズ感がある人は緩いサイズを勧められても一つ下のサイズを試してみるのだから問題ない。
販売員としては革靴の経験があまりない人に正しいサイズを提示しても(そしてそういう靴は最初のうちは靴擦れしたりすることが往往にある)「小さい!」とクレームになるのが怖いので、とりあえず相手の素性がわからないうちは緩めから入るほうがリスクが少ない。
革靴のサイズ表記はスニーカーとは根本的に違うので、同じサイズということはありえない。ふつうはワンサイズ、場合によっては2サイズ近く小さいサイズになるはず。八重洲のリーガルファクトリーストアにもそんな説明ポスターがあった記憶がある。
男性は特に足が小さいということにコンプレックスを感じやすいので、特に女性と同時に買い物に来た人ほど実際よりも大きめを申告する。
ホント、結構百貨店で
女「あなたこんなに足小さかったのー!」
男「・・・でもなんかキツイよ」(傍からみるとどう見ても緩い)
店員「革靴はサイズ表記方法が違うので普段の靴より2つくらい小さくなることもありますよ」
女「それにしても24cmは無いわよねー」
男「・・・」
みたいなシーンが結構見られたりする。
(※JISの靴サイズでは本来cmは付きません)
百貨店だったり、リーガルシューズやスコッチグレインなどの革靴のサイズ感に慣れていない人が数多く来店する店だとほぼ緩めから入るのはこうした様々な理由からきているのではないかと思う。
お店の人の知識云々以前に、お客様が納得して買ってくれることと、クレーム防止が優先されていると。
靴によって履き慣れたあとサイズ感がどう変化するかは千差万別ではあるけれど、革靴を何足も持っている人は最初にキツ目を買っているのではなく、フィットがどう変化するかを想定したジャストサイズを買うことができる。だから、店員さんがはじめに緩めを持ってきても、小さいサイズもトライして自分に合うサイズを買う。
逆に革靴の経験があまりない人はスニーカーなどサイズ表記と感覚を元に、締め付けのきつくない靴を買う。スニーカーと革靴ではサイズの表示方法も異なるし、そもそもスニーカーは靴そのものの作りをみても5mmから1cmくらいはアジャストが効いてしまう。極端に言えば外羽根であれば足長23cmちょっとの人が26cmの靴を買っても何とか履けてしまう。また革靴の中でも1万円前後のものはアッパーは革靴でも、足入れする部分全体がスニーカーのようにふかふかしているため、それなりにサイズ選びが適当でも履けてしまう。
3万円を超える革靴にはこのようなフカフカする部分(≒アジャストされてしまう部分)がないため、サイズ選びはかなりシビアになるのだけれど、頭に染み付いたサイズの数字に影響されて大きめを買ってしまうひとも多い。おまけに従来のサイズより小さなサイズを買うことに抵抗を持つ人が多い。
売り手の立場にたてば、小さめとクレームされてしまうと返品として受け入れるしか無いが(そういうクレーマーはストレッチャーは認めない)、大きめなら中敷き入れたりタンパッドいれたりでごまかすこともできる。大きめの方を提案したほうが受け入れられ易いのであれば、何もお客様の意に反してまでサイズがあった靴を売る必要は無いわけで。
この辺り、靴好きしか訪れない某店であれば「サイズの合わない靴は売らない」で済むけれど、百貨店でそれをやったら大変なことになってしまう。クラッシックな革靴は、買う側の知識と経験も必要な商品でありながら、誰もが訪れることができる百貨店で売られているのだから売る人は大変だなと思う。
いっその事、足入れサイズ表記をやめて、根本的に違う体系にしてしまったほうが楽だろうに。
(国産でも米国式表記が増えているのは、格好の問題というより単純にcm比較しなくて良いメリットもあるのかなと)
リーガルのサイズはおそらく正確なのだろうけれど、多くの日本男子は自分の足を実寸より大きく思っている人が多い(スニーカーで育っているので)し、ジャストを買うと数字上は彼女と同じサイズになってしまうなんてこともある。そういうことに抵抗を持つ人が大きめサイズを買って結局履きにくい印象で終わってしまう人が多そう。
マーケティング的にどうなんでしょう、このサイズ表記。捨て寸込みサイズにするか、いっそ2くらい値を一律で増やしてしまったほうがみんな数字にとらわれなくて正しいフィッティングを受け入れてくれるんじゃないかと。業界ルールとかあるのでしょうか。
自分の足にあった靴であればキツ目に感じても靴ずれなどは意外と起こらないことがある。(僕の中ではREGAL W134やソフィスアンドソリッドS701がそうだった)
その一方で、購入時期にはあちこちマメが出来たけれど、いつの間にかちょうどいい感じになるものもある。(同じく僕の中ではRENDO R7702)
しばらくたっても微妙な違和感が残るものもある(シェットランドフォックスのインバネス)
まぁ、デザインや雰囲気の好みがあるので、必ずしもピッタリ合う靴ばかりを買うわけでもないため、新品の革靴には修行という過程があるということを覚悟しているわけで。
靴は足のむくむ夕方に買うのが良いという意見もある。
そういう傾向があるのは事実としても、むくむ時間帯や傾向は人によるとしか言い様がない。
僕は圧倒的に朝がいちばんむくみ、靴を履いているうちに足が小さくなるのかちょうど良い感じになる。夕方少しキツさを感じることがあるけれど、気になるだけかもしれないという程度。
一晩徹夜みたいな状態で、その間靴を脱いでいたらLGW3001なんて入る気がしないくらい足が大きくなる。(実際にはそれほど変わっていないのだろうけれど)
朝足を入れてみると恐ろしいほどにきつく、靴屋でこの状態だったら絶対に買わないというくらい。甲も、指先も、かかとまで痛くて10m歩くのも厳しい。
ところが(徹夜明けなので他の靴もなく)諦めて履き続けていると、なぜか午後にはいつものサイズ感になりちょうど良くなる。まるで足が縮んだかのよう。
夕方も気にならないことが多いので、僕の傾向はお昼すぎから夜まではあまり変化がないのだと思う。
もし僕と同じような傾向を持つ人が日曜日の夕方にぴったり目の靴を買ったとしたら、翌朝相当きつく感じるだろう。新品の靴なら靴擦れもするだろうから、そうなると「しまった!小さい靴を勧められた!」となって、家から10mあたりで引き返して普段の緩い靴に履き替えて、買った靴は返品クレームと。
もうちょっと我慢すれば履きやすい靴になるかもしれないのに...
僕の(数は少ないが)経験則によると、結局靴が大きすぎて履かなくなったものはあるけれど、小さすぎて履けなくなった靴はほとんど無い。
小さめに感じるものは薄手の靴下にしたり、雨の日に履いたりしている間になんとか履けるようになる。
というわけで僕はいつも次のことを意識して靴を買っている
・1日のライフスタイルを考慮して歩くことが多い時間帯に靴を買う
結局どこかの時間帯で足がむくむのだから、きつい時間や緩い時間が出てくる。それならいちばん足を意識する時間帯にジャストなものがいいのではないだろうか。休日に靴を買う場合、出来る限り歩いてから靴を買うようにしている。歩くと血流が良くなるので少し足が小さくなることもある。その時に緩かったらかえって疲れる靴になってしまうのではないだろうか。いちばん大きい時だけを意識して買ってしまったらそれ以外の時間はずっと緩いから、必ずしもむくむ時間がベストではないと思っている。
・店頭できちんと紐を結び、きつすぎないなら問題なし
少なくとも買うときに試着して履けて歩けた靴なら履けないほど小さいということはないはず。当たるところが全くない靴なんて無いのだから、店頭で歩けないほどきついのでなければいずれは履ける靴になる。このため、お店には申し訳ないと思いつつ、少なくとも5~10分は履いたままで、あまりしわを付けないようにして歩くようにしている。(大切な商品ですので)
歩いたり座ったりする間、どこが当たるか、どこが緩いかを意識する。
特にグッドイヤーウェルテッドの靴であれば、中底が多かれ少なかれ多少は沈むので靴は緩くなる方向にサイズが変わるため、当たる場所によって買うべきかどうかの最終決定になることも多い。
・必ずハーフサイズ違いは試してみる
試着時点でピッタリ、もしくは少しきついと感じたらハーフサイズ上を、気持ち緩いかなと感じたらハーフサイズ小さめを試す。ちょうどいいと思ったときは、ハーフサイズ上下を試す。靴屋さんによっては面倒なのか自己申告のワンサイズしか持ってこないことが多いけれど、遠慮せずに試履する。こちらは何十年も履き続ける覚悟なのだから真剣勝負。ただし、何種類の靴を複数サイズ履くみたいなことはしないで、迷っても2種類くらいまでにしている。
・購入後「小さかった」と思ってもしばらく履いてみる
革靴は購入時点では半完成品。ある程度足に馴染むまでは靴ずれするものと諦める。むくむ時間帯もあるので、きつく感じる瞬間があるのは当たり前。逆に言えばきつく感じる時が無いならその靴はゆるすぎる。
どうしてもキツかったらストレッチャーで伸ばしたり、土砂降りの中履いてみたりするとサイズ感が変わるかもしれない(捨てるよりはいいですし)
エラそうに書いている僕も、靴選びではかなり失敗してきた。
若いころは大きめを買ってしまう傾向があって、永い間履こうと思って買った靴が結局永い間履かずに手元を去っていったことが多かった。同じモデルのサイズ違いを買い直したこともある。
逆に、一時期は「歩けないくらいきつい靴がいずれ極上のフィットになる」という本に書かれていたことを字面だけ真に受けてキツキツの靴を買って外回りの仕事に影響をきたしたことも。こういう情報はある意味真実ではあるけれど、読み手の背景によってはとんでもないアドバイスになってしまうこともある。
生涯で何足も革靴を買ってきたのに、未だに靴を買う時は「本当にこのサイズで良いのか?」と悩んでしまう。購入時点で「緩い」という感じがするものは極力避けて、どちらかと言えばほんの少しだけきついという靴を買うようにしている。ほしい靴を売っているお店で応対してくれた店員さんがどうみても緩い靴を履いていたりする時は特に。
靴は服と違って、サイズ違いが如実に体にダメージを与える。おまけに服よりも耐用年数が長いから、本当はもっとシューフィッターのような専門家にみてもらいたい。残念ながらほしい靴が売っている売場にベテランのシューフィッターがいつもいるわけではないし、結局履いた感じは自分が一番わかるということで最後は自分の勘を信じるしか無いのかな。
それもそのはず、たいていの靴のクレームはサイズが大きいことよりも小さいものを買わされたという方が多いからだ。
ネットでも小さめの靴を返品したということが得意気に書かれていたりする。
まぁ、実際に店員さんがサイズミスをした可能性もあるのだけれど、まともなお店ならば試履して少しは歩くことを勧めるわけで、歩けないほどひどい靴を買う人はいないだろうから、やっぱり買った時点ではそれほど間違ったサイズではなかったのではないだろうかと思う。
革靴を何足も持っていて、自分なりにサイズ感がある人は緩いサイズを勧められても一つ下のサイズを試してみるのだから問題ない。
販売員としては革靴の経験があまりない人に正しいサイズを提示しても(そしてそういう靴は最初のうちは靴擦れしたりすることが往往にある)「小さい!」とクレームになるのが怖いので、とりあえず相手の素性がわからないうちは緩めから入るほうがリスクが少ない。
革靴のサイズ表記はスニーカーとは根本的に違うので、同じサイズということはありえない。ふつうはワンサイズ、場合によっては2サイズ近く小さいサイズになるはず。八重洲のリーガルファクトリーストアにもそんな説明ポスターがあった記憶がある。
男性は特に足が小さいということにコンプレックスを感じやすいので、特に女性と同時に買い物に来た人ほど実際よりも大きめを申告する。
ホント、結構百貨店で
女「あなたこんなに足小さかったのー!」
男「・・・でもなんかキツイよ」(傍からみるとどう見ても緩い)
店員「革靴はサイズ表記方法が違うので普段の靴より2つくらい小さくなることもありますよ」
女「それにしても24cmは無いわよねー」
男「・・・」
みたいなシーンが結構見られたりする。
(※JISの靴サイズでは本来cmは付きません)
百貨店だったり、リーガルシューズやスコッチグレインなどの革靴のサイズ感に慣れていない人が数多く来店する店だとほぼ緩めから入るのはこうした様々な理由からきているのではないかと思う。
お店の人の知識云々以前に、お客様が納得して買ってくれることと、クレーム防止が優先されていると。
靴によって履き慣れたあとサイズ感がどう変化するかは千差万別ではあるけれど、革靴を何足も持っている人は最初にキツ目を買っているのではなく、フィットがどう変化するかを想定したジャストサイズを買うことができる。だから、店員さんがはじめに緩めを持ってきても、小さいサイズもトライして自分に合うサイズを買う。
逆に革靴の経験があまりない人はスニーカーなどサイズ表記と感覚を元に、締め付けのきつくない靴を買う。スニーカーと革靴ではサイズの表示方法も異なるし、そもそもスニーカーは靴そのものの作りをみても5mmから1cmくらいはアジャストが効いてしまう。極端に言えば外羽根であれば足長23cmちょっとの人が26cmの靴を買っても何とか履けてしまう。また革靴の中でも1万円前後のものはアッパーは革靴でも、足入れする部分全体がスニーカーのようにふかふかしているため、それなりにサイズ選びが適当でも履けてしまう。
3万円を超える革靴にはこのようなフカフカする部分(≒アジャストされてしまう部分)がないため、サイズ選びはかなりシビアになるのだけれど、頭に染み付いたサイズの数字に影響されて大きめを買ってしまうひとも多い。おまけに従来のサイズより小さなサイズを買うことに抵抗を持つ人が多い。
売り手の立場にたてば、小さめとクレームされてしまうと返品として受け入れるしか無いが(そういうクレーマーはストレッチャーは認めない)、大きめなら中敷き入れたりタンパッドいれたりでごまかすこともできる。大きめの方を提案したほうが受け入れられ易いのであれば、何もお客様の意に反してまでサイズがあった靴を売る必要は無いわけで。
この辺り、靴好きしか訪れない某店であれば「サイズの合わない靴は売らない」で済むけれど、百貨店でそれをやったら大変なことになってしまう。クラッシックな革靴は、買う側の知識と経験も必要な商品でありながら、誰もが訪れることができる百貨店で売られているのだから売る人は大変だなと思う。
いっその事、足入れサイズ表記をやめて、根本的に違う体系にしてしまったほうが楽だろうに。
(国産でも米国式表記が増えているのは、格好の問題というより単純にcm比較しなくて良いメリットもあるのかなと)
リーガルのサイズはおそらく正確なのだろうけれど、多くの日本男子は自分の足を実寸より大きく思っている人が多い(スニーカーで育っているので)し、ジャストを買うと数字上は彼女と同じサイズになってしまうなんてこともある。そういうことに抵抗を持つ人が大きめサイズを買って結局履きにくい印象で終わってしまう人が多そう。
マーケティング的にどうなんでしょう、このサイズ表記。捨て寸込みサイズにするか、いっそ2くらい値を一律で増やしてしまったほうがみんな数字にとらわれなくて正しいフィッティングを受け入れてくれるんじゃないかと。業界ルールとかあるのでしょうか。
自分の足にあった靴であればキツ目に感じても靴ずれなどは意外と起こらないことがある。(僕の中ではREGAL W134やソフィスアンドソリッドS701がそうだった)
その一方で、購入時期にはあちこちマメが出来たけれど、いつの間にかちょうどいい感じになるものもある。(同じく僕の中ではRENDO R7702)
しばらくたっても微妙な違和感が残るものもある(シェットランドフォックスのインバネス)
まぁ、デザインや雰囲気の好みがあるので、必ずしもピッタリ合う靴ばかりを買うわけでもないため、新品の革靴には修行という過程があるということを覚悟しているわけで。
靴は足のむくむ夕方に買うのが良いという意見もある。
そういう傾向があるのは事実としても、むくむ時間帯や傾向は人によるとしか言い様がない。
僕は圧倒的に朝がいちばんむくみ、靴を履いているうちに足が小さくなるのかちょうど良い感じになる。夕方少しキツさを感じることがあるけれど、気になるだけかもしれないという程度。
一晩徹夜みたいな状態で、その間靴を脱いでいたらLGW3001なんて入る気がしないくらい足が大きくなる。(実際にはそれほど変わっていないのだろうけれど)
朝足を入れてみると恐ろしいほどにきつく、靴屋でこの状態だったら絶対に買わないというくらい。甲も、指先も、かかとまで痛くて10m歩くのも厳しい。
ところが(徹夜明けなので他の靴もなく)諦めて履き続けていると、なぜか午後にはいつものサイズ感になりちょうど良くなる。まるで足が縮んだかのよう。
夕方も気にならないことが多いので、僕の傾向はお昼すぎから夜まではあまり変化がないのだと思う。
もし僕と同じような傾向を持つ人が日曜日の夕方にぴったり目の靴を買ったとしたら、翌朝相当きつく感じるだろう。新品の靴なら靴擦れもするだろうから、そうなると「しまった!小さい靴を勧められた!」となって、家から10mあたりで引き返して普段の緩い靴に履き替えて、買った靴は返品クレームと。
もうちょっと我慢すれば履きやすい靴になるかもしれないのに...
僕の(数は少ないが)経験則によると、結局靴が大きすぎて履かなくなったものはあるけれど、小さすぎて履けなくなった靴はほとんど無い。
小さめに感じるものは薄手の靴下にしたり、雨の日に履いたりしている間になんとか履けるようになる。
というわけで僕はいつも次のことを意識して靴を買っている
・1日のライフスタイルを考慮して歩くことが多い時間帯に靴を買う
結局どこかの時間帯で足がむくむのだから、きつい時間や緩い時間が出てくる。それならいちばん足を意識する時間帯にジャストなものがいいのではないだろうか。休日に靴を買う場合、出来る限り歩いてから靴を買うようにしている。歩くと血流が良くなるので少し足が小さくなることもある。その時に緩かったらかえって疲れる靴になってしまうのではないだろうか。いちばん大きい時だけを意識して買ってしまったらそれ以外の時間はずっと緩いから、必ずしもむくむ時間がベストではないと思っている。
・店頭できちんと紐を結び、きつすぎないなら問題なし
少なくとも買うときに試着して履けて歩けた靴なら履けないほど小さいということはないはず。当たるところが全くない靴なんて無いのだから、店頭で歩けないほどきついのでなければいずれは履ける靴になる。このため、お店には申し訳ないと思いつつ、少なくとも5~10分は履いたままで、あまりしわを付けないようにして歩くようにしている。(大切な商品ですので)
歩いたり座ったりする間、どこが当たるか、どこが緩いかを意識する。
特にグッドイヤーウェルテッドの靴であれば、中底が多かれ少なかれ多少は沈むので靴は緩くなる方向にサイズが変わるため、当たる場所によって買うべきかどうかの最終決定になることも多い。
・必ずハーフサイズ違いは試してみる
試着時点でピッタリ、もしくは少しきついと感じたらハーフサイズ上を、気持ち緩いかなと感じたらハーフサイズ小さめを試す。ちょうどいいと思ったときは、ハーフサイズ上下を試す。靴屋さんによっては面倒なのか自己申告のワンサイズしか持ってこないことが多いけれど、遠慮せずに試履する。こちらは何十年も履き続ける覚悟なのだから真剣勝負。ただし、何種類の靴を複数サイズ履くみたいなことはしないで、迷っても2種類くらいまでにしている。
・購入後「小さかった」と思ってもしばらく履いてみる
革靴は購入時点では半完成品。ある程度足に馴染むまでは靴ずれするものと諦める。むくむ時間帯もあるので、きつく感じる瞬間があるのは当たり前。逆に言えばきつく感じる時が無いならその靴はゆるすぎる。
どうしてもキツかったらストレッチャーで伸ばしたり、土砂降りの中履いてみたりするとサイズ感が変わるかもしれない(捨てるよりはいいですし)
エラそうに書いている僕も、靴選びではかなり失敗してきた。
若いころは大きめを買ってしまう傾向があって、永い間履こうと思って買った靴が結局永い間履かずに手元を去っていったことが多かった。同じモデルのサイズ違いを買い直したこともある。
逆に、一時期は「歩けないくらいきつい靴がいずれ極上のフィットになる」という本に書かれていたことを字面だけ真に受けてキツキツの靴を買って外回りの仕事に影響をきたしたことも。こういう情報はある意味真実ではあるけれど、読み手の背景によってはとんでもないアドバイスになってしまうこともある。
生涯で何足も革靴を買ってきたのに、未だに靴を買う時は「本当にこのサイズで良いのか?」と悩んでしまう。購入時点で「緩い」という感じがするものは極力避けて、どちらかと言えばほんの少しだけきついという靴を買うようにしている。ほしい靴を売っているお店で応対してくれた店員さんがどうみても緩い靴を履いていたりする時は特に。
靴は服と違って、サイズ違いが如実に体にダメージを与える。おまけに服よりも耐用年数が長いから、本当はもっとシューフィッターのような専門家にみてもらいたい。残念ながらほしい靴が売っている売場にベテランのシューフィッターがいつもいるわけではないし、結局履いた感じは自分が一番わかるということで最後は自分の勘を信じるしか無いのかな。
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