先月までは 2504NA がいちばん多くて、「さすがは 2504!」と思っていたら、7月に入り 01DRCD のほうが増えている。そんなわけで、改めて 01DRCD について見直してみた。
僕の 01DRCD も気づけば5年を経過した。
販売も継続されていて、REGAL SHOES 専売モデルではない一般販売のモデルとしてはなかなかのロングセラー。
リーガルの中では流行にあまりとらわれない正統派モデルで、インポート素材を使っているにも関わらず4万円を切る値段設定という「ちょっと頑張ったら買えるかも」的なゾーンが支持を受けているのかもしれない。
たまたま僕の足にとってダメージが少ない靴ということもあり、おおむね週1回弱の登板をしていて、天候が悪い日も履いているにも関わらずオールソールまでもう少しいけそう。
アッパー側も大きな傷などはなく、全体としてはやや粗が目立ってきたもののクレム1925で十分いい感じに仕上がる。
ライニングも履いている頻度からすると擦れが少ないようで、かかとはピンポイントで擦れている。かかとはやや大きめのつくりではあるものの、靴の中で足があまり動かないこともあって擦れが少ないのかもしれない。
購入当初にやや華奢な印象を受けたのは、ソールを薄く見せるヤハズ仕上げやきめの細かいアッパー素材が理由かな。
実際にはほつれたり剥がれたりといったことがなく、当初から歪んでいたような土踏まずもいまのところ問題がない。
お手入れは購入時からずっとサフィールノワールを使っている。
水洗いをしたとき以外は数カ月に一度くらい水拭きしてからクレム1925を薄く塗っているくらいで、表面が明らかにボコって来た時にステインリムーバーを使う程度。ふだんは馬毛のブラシでほこり落としと、擦ってしまった跡を目立たなくするためのからぶきくらい。
ビジネスシーンで使う道具としてはとても完成度が高いモデル。
デザイン、価格、素材、アフターサポートとどれもが一定以上の満足をしている。
僕はヒロカワ製靴のスコッチグレインを履いたことがないので同価格帯競合の実力を知らないとはいえ、おおよそ3万円から5万円くらいのレンジにある靴としてはベストバイに近い位置づけなのではないかと思う。
まず、デザインがシンプル。 意外とロングノーズでありながらもトウの丸め方とキャップの大きさがゆえに、それほど長い感じがしない。コバの張り出しも控えめで、極めてスマートなスタイル。キャップが少し大きいところにリーガルなりの和風を感じる。
次にお手入れのし甲斐がある。
01DRCDのアッパーは、クレム1925などのようなビーズワックス成分が多いようなクリームで磨くと簡単にかなり光る。いわゆるじっとり系ではなく表面がつややかに光る系で、お手入れ技術がそれほどでもない僕のような人でも満足度の高い仕上がりになる。
そして、履き心地が良い。
やや革靴ビギナー向けにセッティングされているのか、かかと周りにクッション性のある素材を入れているため、RENDOやペルフェットと比較すると柔らかな包み込まれる印象。
シェットランドフォックスのグラスゴーも同様な履き心地なので(ラスト形状によるフィッティングではなく、ふわっとした感じが)、リーガルにおける最近のこのプライスゾーンは意識的にかかと周りを柔らかくしているのかもしれない。
いわゆるシンプルな定番系のキャップトウって、多くの靴を企画・販売しているリーガルでもほとんどなかった気がする。ときどき出てきても、すぐに終売となることがほとんどだった。
唯一の正統派定番モデルと思われる W121/W131/W141 も、BOSのサンプルを兼ねているが故かスクエアトウになっていて、それはそれで伝統的なデザインではあるものの、やっぱりラウンド形状の靴と比べるとどうしてもちょっと外れている印象だった。
リーガルブランドではあまりレザーソールを推しているように思えないので、01DRCDもひょっとすると企画商品だった可能性が高いけれど、結果、
・「ふつうな形」をリーガルで欲していた層への訴求
・レザーソールの靴にしてはリーズナブルな価格設定
・アノネイ社のカーフというアピールポイント
が受けたのか、想像以上にヒットしてしまっている気がしないでもない。
ひろく売れる靴ではないけれど、ちょうど靴好きが「一足買ってみようかな」と思うツボを押さえているような。
さらに、買ってみたら意外と履き心地が良くて、デザイン違いをもう一足という感じで輪をかけて売れると。
同一ラストのプレーントウモデルも出たことから見ても、意外とラストの評価も高いのかもしれない。
甲が高めという意見も結構聞くため、購入時には店頭でフィッティングをして決めることを強くお勧めしたい。
ぜひ店頭でサイズ違いを何度も試して、店員さんの意見も聞いて合う・合わないの判断をした後に購入してほしい。
REGAL SHOES に限らず、全国の靴屋さんや百貨店でも取り扱うことができるモデルのなかで、レザーソールかつスムーズレザーの定番的なデザインは貴重な存在。
リーガルはインポート靴を好む層にはイマイチブランドの訴求が弱いと思っているのだけれど、ソールにレザーを採用した靴はなかなか気合の入ったモデルが多い。
01DRCD のような息の長いモデルがある一方で、01NRDD のように1年も持たずに終売になってしまうモデルがあるのはただただ残念。リーガルなりのマーケティング戦略がその裏にあるのだろうけれど、希望小売価格で買うのをためらう人を増やすだけのようにも思えるし、セールで売り切ろうとするの目にしたら心を込めてその靴を作った職人さんはどう思うのだろう。
いつの日か、いまはまだ幼い息子が真新しい靴で社会人としてはばたく日、父親である僕は履きこまれ、磨きこまれた同じ靴を履いてその日を迎えられたら最高だ。その候補は 01DRCD かもしれないし、チャーチのコンサルかもしれないし、いまはまだ手に入れていない靴かもしれない。まだまだ先のその日までどれだけの靴が販売され続けているだろうか。01DRCD がその候補になる靴として残っていてくれたらとても嬉しい。
--------
いまやキャップトウの定番
お手入れは一貫してサフィールノワールシリーズを使っています。ほとんどはこのクレム1925のみで。
水洗いをしたときはデリケートクリームとレノベイターを使います。
ソールのお手入れはブートブラックを使っています。たまたま家にあるので。