W10BDJ。
カントリー仕様の国産フルブローグ。
トリッカーズのカントリーラインに似ているけれど、日本の職人さんがあくまで既製靴の枠内で、本格的なカントリー仕様のフルブローグを作ったらここまでできる、を具現化した靴。
Offの日はかなりの割合でこのW10BDJを履いた。
軽く雨に降られることもあったけれど、今のところ目立ったシミもないし、国産キップのアッパーは比較的質が良いのか、革が硬くなるようなことも無い。
始めは自分の個体があたりなのかもしれないと思っていたけれど、ブログで紹介されているW10BDJはみんな結構きれいにしわが入っている。BOSの国産キップ(ブラック)のしわとは異なっていて、あまり目立たない。日本のタンナーでも市場があれば良い物を作ることができる実力があるのに、と思えてならない。
ちなみにこの靴、アッパーはBootBlackのニュートラルクリームだけでお手入れしている。
靴のコンセプトもあって、少し大きく緩い作りになっているものの、シェットランドフォックスあたりからハーフサイズ落とせば十分フィットする。
W10BDJはやっぱりこのタン色がいい。
カントリーテイストで気楽なoffに履くには明るい色のほうが肩の力が抜ける。経年による色合いの変化も楽しみだし。
僕は今のところニュートラルでお手入れをしているので、それほど変化がない。今後少しずつ汚れたり傷ついたりして深みが増していくのだろうか。
傷ついても気にしない。
雨に降られても気にしない。(お手入れはする)
ソールが減っても気にしない。(適度にリペアする)
そういう靴。
最初のうち、減りが早いと思っていたつま先も、返りがよくなったのか落ち着いてきた感じ。
ソールは適度にメンテナンスしているのでひび割れなども無い。
唯一気になるのは、2235NAのようなド定番ではないので、いつかは終売してしまうのではないかということ。
2235NAがリーガルの歴史を象徴するアイコンであるなら、W10BDJはリーガルの底力を示す靴で、こういう靴は細々とでも良いので長続きして欲しい。
先日、イギリスのウイスキーガイドブックでサントリーの山崎(シングルモルト・シェリーカスク2013)が世界最高のウイスキーに選ばれた。マッサンでピリピリしているサントリーにとってはこの上ない良いニュースだったと思う。
僕は靴と同様素人なりにウイスキーが好きで、しかもこちらもジャパニーズ派なのだけれど、日本のウイスキーは発祥の地イギリスのものとは決定的に違う良さがある。どちらがいい悪いではなくて、どちらもいい。方向性が違うだけ。トリッカーズのBurtonにはラフロイグが合うけれど、W10BDJにはサントリーオールドのほうがしっくりとくる、という感じ。(印象の話であってモルトドレッシングの話ではないです、念のため)
評価はある一定の基準でなされるわけで、その基準で評価が高ければ絶対的に良いというわけではない。逆に言えばある基準での評価が低くても、そのもの自体が完全に劣っているというわけでもない。とはいえ、ウイスキーという長い歴史があって世界的にマニアがいるカテゴリーでジャパニーズウイスキーが世界一の評価を受けたという事実は、歴史的なビハインドがあったとしても、確固たる信念を持って取り組みつづけることで、認められることもあるということを示していると思う。
W10BDJも、表面的なところだけを見ればイギリス靴のコピーのように思えてしまうけれど、見れば見るほど日本の靴作りが世界に通用出来るということを示していると感じる。こういう靴が長く続くことで、日本の靴がもっと世界で評価されるのでは無いだろうか。
今回ベタ褒めですけど、個人的に今年の The Best Shoes と思っている靴なので許してください。
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