僕の平成における想いを綴る平成の逸品の最終回、今回は「靴」。
やはり平成を代表する靴といえばこれになる。
「RENDO R7702 Punched Cap Toe Oxford」
平成の時代に登場し、この先もずっと輝きを失わないだろうと思われる靴。
団塊の世代に愛され、信頼されてきたリーガルの 2504NA や 2235NA は昭和という時代を色濃く反映した靴だと感じる。
いま思えば父が僕の今の年齢だったころは世の中がもっと活気づいていたこともあるのか、僕に比べるとずっと骨太な生き方をしていたと思う。
そうした時代を生き抜いた人に愛されてきた 2504NA やサントリーオールドやカミュは、今では価格だけを見ればミドルレンジ(下手したらローエンド扱い)かもしれないけれど、なんとなくごつさというか歴史の重み的なものを感じずにはいられない。
その団塊の世代の子どもたちにあたる団塊ジュニア世代が義務教育を終えるころ平成という時代が始まった。バブルははじけ、繊細かつ弱気な世の中に移っていったように感じる。
こうした時代にも力強い人がいて、いまではだれもが知る企業をスタートアップし、これまでの暗い印象から一転して華やかな世界観を持つようになったテックベンチャーでのスマートな仕事のスタイルが共感を集めるようになってきた。
ベンチャーの成功者は成金が多いので持つもの身に着けるものはより高価でファッショナブルなものとなり、インターネットの普及でそうした人たちのライフスタイルを身近に知るようになった。苦しい時代ではあったものの希望も同じくらいある時代。それが僕にとっての平成だった。
バブルという狂騒曲が終焉し、地に足をつけて地道に生きていくことの価値を見直すことになった平成においては、日本の独自進化すぎた高番手の打ち込み本数を競うソフトスーツよりもややしっかりした生地のクラシックスタイルが合っていた。そしてその足元もビットモカシンよりはクラシックな靴が似合うようになった。
RENDOの靴は英国調のクラシックをベースに、日本の素材を一部使って、ニッポンの感性でまとめ上げた実用靴。
価格は相対的な感覚的なものなので、4万円の靴を妥当を思う人もいれば、ありえないと思う人もいる。20万円の靴を妥当と思う人もいるし、ビスポークがあたりまえの人もいる。そもそもモノを売価と原価の差額といったモノサシだけで測るのは失礼だという意見もある。それらの意見があることを理解したうえでなお言いたい。RENDOの価格設定は極めて良心的で、僕にとっては過度に神経質にならずに履けて、でもここいちばんという時にも履きたい靴なのだ。コストパフォーマンスなどという言葉は似合わない。僕が買うことできて、履いていることがとても嬉しくなる靴だから。
平成に入ったばかりの頃はオールデンやらジョンロブやらがまだ10万円前後くらいに手に入り、ストール・マンテラッシやドゥカルも元気で、とにかく色気、作り、イメージともに海外勢の圧勝だったように思える。
国産も平和堂さんだとかが頑張っていたけれど、いわゆる「靴好き」というカテゴリーに属する人が見ていたのは海外であり、いまでいうとスーツの生地のように海外のブランドが上位、国産はあか抜けないけれど実用的、みたいな位置づけだった。並木通りにあったこのころの REGAL TOKYO は靴のセレクトショップっぽくって確かオールデンのVチップをダブルネームで売っていたり、アルフレッド・サージェントのOEMと思われる靴を自社ブランドで販売したりもしていた(記憶がややあいまいですが)。
平成も20年も過ぎると日本でもチャーチやらクロケットアンドジョーンズやらを履いている人が増えてきて、そうした海外の靴を好んでいた層に直球勝負をするブランドも登場してきた。
そのひとつが RENDO だった。
僕はたまたまAll Aboutの飯野さんの記事で RENDO を知り、単純に文字通りに受け止めてよいものだという先入観を持って購入した。
ところが最初のうちはかかとは痛いわ小指はマメできるわで、フィッティングはそれほどでもないどころかただの痛い靴だった。
よく RENDO の靴を最初に履いた瞬間にピッタリ感を感じるという意見を目にするけれど、そうして購入した人がその後3か月くらいどうだったのかぜひ聞いてみたい。
僕はもうだめかと何度か思うものの、RENDO 設立のストーリーに共感していたこともあるし、痛い靴でもそのうちフィットが良くなるという教科書的な話も頭の片隅にあるし、そもそもせっかく買った靴なので何とかしようと履いているうちに、驚くほどフィット感が良くなった。
いまはややかかとのタイト感がやや失われている気がするものの、総じてフィット感は良く、履いていて気持ちいい。
長時間歩くような場合は 01DRCD に軍配が上がるけれど、オフィス履きでちょっと外出するくらいならこれほど快適な靴はない、という印象。
僕が RENDO に惹かれたところは、素材がどこ産だとかデザインがどうだとかではなくて、単純にビジネスパーソン(に限らないが)にとって良い靴とは何かを突き詰めていったときの一つの答えがここにあるような気がしたから。
僕がビジネスで履きたいと思っていた靴を具現化したものと出会ったような気がした。
外国コンプレックスなどはなく、単純に「いい靴とは何だろうか」を考えていったらできました、という雰囲気がものすごく素敵に感じた。
アッパーに使われている国産キップは少なくても僕が購入したものはしわが大味に入るなど見た目の良さではおフランスのカーフにはかなわない。
だけど、ソールもヒールも丈夫でほつれてくるようなこともなく、国産キップもいつの間にか柔らかくしなやかになった。厚手に感じるけれど柔らかい。
つくりに関しては製造を請け負っているといわれるセントラルの実力がとてつもないのだろうけれど、きっちりと企画して品質管理して自らのブランドで売っているのは RENDO なのだから、ここは RENDO を評価すべきだと僕は思う。
昭和の時代に生まれた 2504NA が平成になっても全く色あせないのと同じように、RENDO R7702も次の時代、そのまた次の時代になっても決して色あせずに、むしろ輝きが増すだろう。
作り手としてはもう少しお洒落な領域に位置付けているとは思うものの、僕にはとてもビジネス向けの靴に思える。こういう靴がこのニッポンで企画され、Made in Jpaan であることは日本人である僕にとってはこのうえなく嬉しい。
もちろん、RENDO の靴は実用靴である一方で、ちょっとした色気もある。伊達男な色気ではなくて、理系男子的な理詰めな恰好良さ。
RENDO は頑張ってお金をためて買うに値する靴。
だからこそ、初回は絶対に店頭でサイズ合わせをして履いてほしい。リピーターであれば通販を使うのもありかなと思うけれど、初めの一足は店頭でじっくりと履き比べ、見比べて欲しい。RENDO の良さを感じる最初の一歩がそこにある。
2019年3月18日月曜日
2015年6月14日日曜日
RENDO R7702 2nd Report
RENDOの7702が10か月経過した。
この靴、いままで履いた靴で購入直後に初めて小指に強烈なタコができたりかかとが擦れたり、第一印象は自分に合わない靴だった。
ところが10ヶ月経ったいまでは当初こうなるとは思えなかったほどにジャストフィットになっている。購入当初といまとの印象はまるで別の靴のよう。
RENDOの靴は芯地がほかの靴に比べて固いと感じる。またラストは細いと言われている。
おそらくはEEの僕の足では少し横幅が窮屈なことと、このような靴作りのコンセプトから最初に固いと感じたのだろう。
いまはそういう痛い思いは全くない。
だいたい週に1度くらいの登板頻度なので延べ50回くらい履いたことになる。
底面の減り具合から想像するに、比較的詰められているコルクも厚い。これも購入当初からの変化の一因か。
ヒドゥンチャネルの部分が減らないのはコルクが体重で変化することを想定してある程度中央を盛っているからだと推察される。
この靴は天候を気にせず雨の日も履いているが、ソールのヘリは少ないし、乾くと何事もなかったように戻っている(気がする)。ソールにはごくごくたまにソール用のクリームを入れている。
RENDOはビジネスマンの靴というコンセプトもあるみたいで、その通りの真面目で朴訥な印象で、これはこれである意味日本の靴っぽい。
いまのところほつれたり型崩れしたりもなく、あまりロングノーズでないこともあるのかつま先の減りも少ない。僕の場合は週1ローテーションなら1年くらいは軽く持ちそう。
アッパーに使われている国産キップは履きこむにつれてだんだんと柔らかく、しなやかになる。購入時は固い印象を受けるが、きちんとクリームを入れて履きこむことで、想像以上に変化する。
リーガルの国産キップと同じタンナーなのか、それともキップというグレードに共通なのか、しわはかなり大味に入る。購入するときに受けた説明では良い部分を使っているとのことだけれど、僕のレベルではよくわからない。表面のつぶつぶ感が目立つことからも、W10BDJ1のようにしっかりグレージング仕上げされたキップとは違う気がする。
太いしわが入ってもクラック防止のため丁寧にブラッシングさえすれば実用上は全く問題がないと思うのだが、しわの入った靴は一般的にウケが悪い。うちの家庭内でもこの靴のほうが、これよりはるかに履きこんでいる01DRCDより「古く見える」といわれる。
この靴のお手入れにはBoot Blackを使っている。
Boot Blackの乳化性クリームは革に浸透し易いため、表面は素材を活かす仕上がりになる。このクリームのみだとキャップの部分も凹凸感が残ってしまうので、鏡面寄りに仕上げたいときはサフィールノワールクレム1925を使うか、ワックス併用のほうが良さそう。
表面の仕上がり点ではヨーロッパタンナーのボックスカーフとは傾向が違う。表面の凹凸が目立つ感じで、これが光の反射を分散させてしまい、結果として艶が出にくい。
ガラス仕上げの靴が格好良く見える向きには向いていないかもしれない。
左がウェインハイムレダー、右が国産キップ。艶感がだいぶ違う。これは仕上げによるものかな。グレージングをしまくれば意外と近いものができたりして。
ただ、ネットでRENDOの靴を見ると、僕のものとはまた違った艶をもっているものがちらほらあるので、クリームやワックスの使い方でより高級感が出せるはず。
若いサラリーマンでも、お小遣い制のお父さんでも何とか頑張って買える範囲で長く使える本格的な靴。履きこむことでわかる靴の良さがこの靴にはある。
冒頭にも書いたように購入した当初は小指にもかかとにも結構なダメージがあって、この靴でできたタコがいまだに残っているが、いつの間にかこの靴はどこも痛くないジャストフィットの靴になっている。固い作りではあるけれど、きちんと足に合わせて変わる靴。
購入時にも「足の形状からすると、ラストのほうが少し細いのできついかもしれない。その時はストレッチします」という提案を受けたのだけれど、結果としてストレッチなしで十分なフィットを得られる靴になった。このあたりは試着だけではわからない。そこが靴購入の難しいところ。
逆に言えば、僕のようなEEではなくもう少し細いい人だとコルクの沈み込みなどによって少し余ることが出てくるのかもしれない。
よく言われる「小さめのかかと」については、確かに他のブランドの靴よりコンパクトな仕上がり。前回も書いたように購入時そのまま履くとかかとのサイドがかなり当たり、まともに履けたものではなかった。当たる部分の芯地を指で慣らしてみることで、ちょうどいい感じのコンパクトさを感じられるかかと周りになった。
ところでこの靴、ネット上の情報からするとセントラル製だと思われるのだけれど、同じセントラル製と思われる三陽山長のおよそ6割の価格。アッパーで使われている革が違うにしても、かなり良心的な価格設定なのではないだろうか。
RENDOって、靴好きの人ならそのコンセプトとそれから導き出される良さが理解できると思うのだけれど、これから靴好きになる予備軍である若い世代に訴求するには今ひとつパンチが足りない気がする。いわゆる真面目すぎてモテない君で、作り手の伝えたいメッセージを受け取る側もこの真面目さを受け止めるだけの余裕が必要とされてしまう。
一巡して、クラシックな普段履きが欲しくなった人が立ち返る靴なのではないかと。
個人的にはこうした真面目なコンセプトにもっと光があたって欲しいし、こういう靴こそが日本のベーシックとして広まったらいいなと思う。実際に自分で購入してみて履いてみて解ったのは、本当に期待を裏切らない靴。目立たないけれどなぜか安心。
足馴染みも良いし、ビジネスシーンで必要十分なRENDO。これからも天気を気にせずどんどん履いていきますよ。
----
AmazonでRENDOの取り扱いが始まっています。いまのところ7702はダイナイトソールモデルのみみたい。キャップトウはレザーもある。万人向けでいい靴だと思う。中でもAmazon専売のネイビースエードはかなり格好いい。これがレザーソールだったらなぁ...
ツリーはディプロマットヨーロピアンを入れています。
クリームは何となくブートブラック。
この靴、いままで履いた靴で購入直後に初めて小指に強烈なタコができたりかかとが擦れたり、第一印象は自分に合わない靴だった。
ところが10ヶ月経ったいまでは当初こうなるとは思えなかったほどにジャストフィットになっている。購入当初といまとの印象はまるで別の靴のよう。
RENDOの靴は芯地がほかの靴に比べて固いと感じる。またラストは細いと言われている。
おそらくはEEの僕の足では少し横幅が窮屈なことと、このような靴作りのコンセプトから最初に固いと感じたのだろう。
いまはそういう痛い思いは全くない。
だいたい週に1度くらいの登板頻度なので延べ50回くらい履いたことになる。
底面の減り具合から想像するに、比較的詰められているコルクも厚い。これも購入当初からの変化の一因か。
ヒドゥンチャネルの部分が減らないのはコルクが体重で変化することを想定してある程度中央を盛っているからだと推察される。
この靴は天候を気にせず雨の日も履いているが、ソールのヘリは少ないし、乾くと何事もなかったように戻っている(気がする)。ソールにはごくごくたまにソール用のクリームを入れている。
RENDOはビジネスマンの靴というコンセプトもあるみたいで、その通りの真面目で朴訥な印象で、これはこれである意味日本の靴っぽい。
いまのところほつれたり型崩れしたりもなく、あまりロングノーズでないこともあるのかつま先の減りも少ない。僕の場合は週1ローテーションなら1年くらいは軽く持ちそう。
アッパーに使われている国産キップは履きこむにつれてだんだんと柔らかく、しなやかになる。購入時は固い印象を受けるが、きちんとクリームを入れて履きこむことで、想像以上に変化する。
リーガルの国産キップと同じタンナーなのか、それともキップというグレードに共通なのか、しわはかなり大味に入る。購入するときに受けた説明では良い部分を使っているとのことだけれど、僕のレベルではよくわからない。表面のつぶつぶ感が目立つことからも、W10BDJ1のようにしっかりグレージング仕上げされたキップとは違う気がする。
太いしわが入ってもクラック防止のため丁寧にブラッシングさえすれば実用上は全く問題がないと思うのだが、しわの入った靴は一般的にウケが悪い。うちの家庭内でもこの靴のほうが、これよりはるかに履きこんでいる01DRCDより「古く見える」といわれる。
この靴のお手入れにはBoot Blackを使っている。
Boot Blackの乳化性クリームは革に浸透し易いため、表面は素材を活かす仕上がりになる。このクリームのみだとキャップの部分も凹凸感が残ってしまうので、鏡面寄りに仕上げたいときはサフィールノワールクレム1925を使うか、ワックス併用のほうが良さそう。
表面の仕上がり点ではヨーロッパタンナーのボックスカーフとは傾向が違う。表面の凹凸が目立つ感じで、これが光の反射を分散させてしまい、結果として艶が出にくい。
ガラス仕上げの靴が格好良く見える向きには向いていないかもしれない。
左がウェインハイムレダー、右が国産キップ。艶感がだいぶ違う。これは仕上げによるものかな。グレージングをしまくれば意外と近いものができたりして。
ただ、ネットでRENDOの靴を見ると、僕のものとはまた違った艶をもっているものがちらほらあるので、クリームやワックスの使い方でより高級感が出せるはず。
冒頭にも書いたように購入した当初は小指にもかかとにも結構なダメージがあって、この靴でできたタコがいまだに残っているが、いつの間にかこの靴はどこも痛くないジャストフィットの靴になっている。固い作りではあるけれど、きちんと足に合わせて変わる靴。
購入時にも「足の形状からすると、ラストのほうが少し細いのできついかもしれない。その時はストレッチします」という提案を受けたのだけれど、結果としてストレッチなしで十分なフィットを得られる靴になった。このあたりは試着だけではわからない。そこが靴購入の難しいところ。
逆に言えば、僕のようなEEではなくもう少し細いい人だとコルクの沈み込みなどによって少し余ることが出てくるのかもしれない。
よく言われる「小さめのかかと」については、確かに他のブランドの靴よりコンパクトな仕上がり。前回も書いたように購入時そのまま履くとかかとのサイドがかなり当たり、まともに履けたものではなかった。当たる部分の芯地を指で慣らしてみることで、ちょうどいい感じのコンパクトさを感じられるかかと周りになった。
ところでこの靴、ネット上の情報からするとセントラル製だと思われるのだけれど、同じセントラル製と思われる三陽山長のおよそ6割の価格。アッパーで使われている革が違うにしても、かなり良心的な価格設定なのではないだろうか。
RENDOって、靴好きの人ならそのコンセプトとそれから導き出される良さが理解できると思うのだけれど、これから靴好きになる予備軍である若い世代に訴求するには今ひとつパンチが足りない気がする。いわゆる真面目すぎてモテない君で、作り手の伝えたいメッセージを受け取る側もこの真面目さを受け止めるだけの余裕が必要とされてしまう。
一巡して、クラシックな普段履きが欲しくなった人が立ち返る靴なのではないかと。
個人的にはこうした真面目なコンセプトにもっと光があたって欲しいし、こういう靴こそが日本のベーシックとして広まったらいいなと思う。実際に自分で購入してみて履いてみて解ったのは、本当に期待を裏切らない靴。目立たないけれどなぜか安心。
足馴染みも良いし、ビジネスシーンで必要十分なRENDO。これからも天気を気にせずどんどん履いていきますよ。
----
AmazonでRENDOの取り扱いが始まっています。いまのところ7702はダイナイトソールモデルのみみたい。キャップトウはレザーもある。万人向けでいい靴だと思う。中でもAmazon専売のネイビースエードはかなり格好いい。これがレザーソールだったらなぁ...
ツリーはディプロマットヨーロピアンを入れています。
クリームは何となくブートブラック。
2014年11月11日火曜日
RENDO R7702 PUNCHED CAP TOE OXFORD
RENDO R7702、パンチドキャップトウ。
All Aboutの飯野さんの記事でみて、気にはなったものの、最初にオンラインショップを見た時はマイサイズが売り切れていたのと、そのころは別のことに気が向いていたこともあり、ちょっと忘れかけていた。
その後、ちょっとした出来事があって、靴を買う理由(と資金)ができたのでネットを見ていたら、たまたまRENDOの記事に辿り着いた。ネットで集めた情報だけをみると、まっとうな靴っぽいし、イマドキの水準からするとリーズナブルなこともあり、店頭で実物を見てみることにした。
お店は銀座線の浅草駅から10分程度でちょっと遠い。
電車で行くよりも、東京駅八重洲口から出ているバスで「隅田公園」または「浅草七丁目」あたりで降りると近いかも。
靴が壁に並べられていることが多い靴屋さんが多い中で、RENDOは壁一面に在庫があって、靴はテーブルに並べてある。
取り扱っている商品はキャップトウ、パンチドキャップトウ、サイドエラスティック、プレーントウと新作のダブルモンク。現在でもいくつかデザインを企画中だそうで、今後はよりラインナップが拡充するっぽい。
R7702はあまりロングではないアーモンドタイプなパンチドキャップトウ。
伝統的なラウンドトウとくらべてみるとややポインテッドであるものの、昨今巷にあふれる長い靴とは違ってコンパクト。
トウと羽根の部分に施されたパーフォレーションは小ぶりで繊細な印象。ネットの情報をいろいろ見る限りではセントラル製ではないかと。
この靴はどちらかと言うと幅が少しタイトにできていると言われているけれど、ショートノーズなせいか外見はあまりそう見えない。僕はEE程度の足のため購入時にタイトな履き心地になるかも知れないとのアドバイスを受けた。もっとも、我慢できないくらいタイトだった時は預かり等でストレッチを試みてくれるとのこと。実際、カウンターの奥にもストレッチ中の靴が置いてあった。
履いた感じではボールジョイント周りはそれほど絞らず、かかとに向けて絞り込んだラストという触れ込み通り、かかとを意識的にすぼめてある。
硬い芯が入っていることもあり、試着の段階ではかかとを掴む感じが気に入った。購入後初めて外出してみたら5分もしないうちにかかとの内側が痛くなった。あと、この靴はかかとのスポンジはそれほど入っていないようで、シェットランドフォックスあたりと比べると少し硬い。(履いてる限りではまったく問題ない)
どうも内側の絞り込みがきつすぎるようなので、指で少し広げるような感じで調整してみると、なんとか一日履けないほどの痛みは無くなった。この靴は底面はそれほどきつくないが、履き口に向かって上がるに連れて結構急にカーブしている感じ。
甲は履き口に向かって二の甲を過ぎたあたりから緩やかなカーブを描く。一の甲は低め、二の甲はゆったりめ、三の甲はふつう。
幅はネット上の記事をみるとかなり細めとされている(Dウイズ)けれど、それほどでも無い気もする。少なくてもボールジョイントの感じは同サイズEウイズのソフィスアンドソリッドのように横から締め付けられる感じはしない。
履き始めから大きいほうの左足小指に違和感があり、1日履くと夕方以降かなり痛くなった。この靴はノーズがそれほどでもないため、トウ先に向かってカーブがきついのかなぁと感じた。靴のサイズは実測よりも少し大きめのサイズになっているのだけれど、ラストが想定しているよりも少し幅広な足のようで、それがキツイ原因かも知れないと思っていた。
当初の印象は少し痛い靴。LGW3001のように全体的にきついという感じではなく、当たるポイントが点になっていて、小さいほうの右足はあまり問題がないのに、大きいほうの左足小指が壊滅的にダメージを受けてしまい、外出の多い日は避けていた。(小指にタコができた数少ない靴なので)
ところが20回くらい履いているとそれほどのダメージがなくなった。足に合うようになってきたのかなぁと思っていたころに、意外な事実を知ることになった。
先日、マッサージを受けた際に僕の歩き方(というか、現代人に多い歩き方)は足を外側(小指側)から着地して、そのまま外側で蹴りだす傾向があるといわれた。こういう歩き方は腰痛になりやすい。あまり意識したことがなかったが、実際に意識してみると確かに外側に力がかかっている。本来は足の内側を意識して親指でしっかり蹴りだす歩き方が正しいとのこと。
確かに外側に偏った歩き方は蹴りだしの最後に小指に力がかかる。左足を軸にする癖のある僕の歩き方だとサイズの大小にかかわらず踏み出すごとに左足の小指にテンションがかかる。
親指を意識した歩き方を意識するようになったら小指へのダメージが減った気がする。
足のタコマメの原因は足とラストの相性だけではなく、歩き方にも原因があったわけだ。
少しクリームの乗りが悪いかな。この靴にはBoot Black(黒蓋)を使っているのだけれど、雨にぬれるとしみっぽくなるのが目立つ感じがする。
(ブラウンは仕上げを考えるとさらにシミになりやすいかもしれない)
ピッカピカの靴というよりは、「丈夫そう」という印象で、数年後どうなるかは楽しみでもある。
コバの目付けを仕上がりの段階で行うため、ウェルトからソールにかけてはスッキリとしながらも高級感のある仕上げ。正直、僕にはあってもなくても評価に変わらないディテールなのだけれど、靴の作り手の立場からすれば、この仕上げをするということはすべての靴を手に取り、一周させることになる。これはプロデュースする靴の最終確認でもあり、魂を入れる過程でもあるのだろう。価格競争の中でこうした手仕上げは省略されるかいい加減にされることが多くなっている気がする。RENDOはプロダクトとしてきちんと仕上げてくれているのは大きな安心感。
ソールもこだわりの仕上げがされている。
ヒドゥンチャネルにコテで表情を入れている。これもディテールだけ見ればあってもなくても靴そのもの使い勝手は変わらないけれど、必然的にアッパーとソールがしっかりついているか、余計なキズは無いかをチェックする事になるわけで、その辺りしっかり検品されているという安心感は大きい。
この手のロングノーズではない靴はつま先のヘリが穏やかなのがありがたい。リペアまでの期間が伸びるし。
ソールそのものは雨にぬれるとかなり柔らかくなってしまう。乾燥させた後、ソールコンディショナーを気休めに使うほうがよさそう。ソールの塗料は水に弱い感じ。
僕は革靴にはドレスシューズとビジネスシューズがあると思っている。
前者はパーティーやセレモニーなどで履く靴で、どちらかと言えば見た目重視。後者は普段履きで、耐久性やリペアとお手入れのしやすさ、長時間履いた時の履き心地、経済面が優先される。
RENDOは僕の中での位置づけは後者。いわゆるふつうのビジネスパーソンのために、コストを意識しながらグッドイヤーウェルテッドの靴を真面目に作ったらこうなりました、という感じ。アノネイやウェインハイムレダーの革を使いました的なアイコン勝負ではなく、ラストや作り込み、仕上げといった一般的にはなかなか評価されにくいところをまじめに作りましたと。
「良い靴」を作るためには当然にお金がかかる。
それは素材だったり、職人さんの腕だったり、製法だったり、加工だったり。
4万円というひとつの基準の中で、どこにどうコストを掛けるかというところは企画者の腕の見せどころ。特にRENDOのような新しいブランドはなんらかの差別化を持っていないとあまたのブランドの中で生き残るのは大変だろう。
RENDOの答えはなんだろうか。素材や流通にかかるコストを抑えて、その分手間や顧客との対話を増やしたというところだろうか。
「アノネイガー」「ゾンタガー」のようなノリで6、7万円だったら正直興味なかったかも。それならREGAL TOKYOあたりでBOSすればいいし。
RENDOは浅草の店舗と通販のみで展開するブランド。
浅草まで行く機会がある人は絶対に現地で履いてみてから買ったほうが良いけれど、特にウィズ展開しているわけでもないし、試着後の交換は可能みたいだし、結局はある程度履きこまないとわからないこともあるから割り切ってwebでトライするのも良いのではないかな。
RENDO、ビジネスシューズとしては悪くないと思う。
最近はすぐに原材料高騰とかで何千円も値上げするブランドが多い中で、1足4万円程度でグッドイヤーウェルテッドなのだから、それだけでも購入検討に値する。中間マージンカットのためなのか、直販のみなのが残念。この手の革靴は百貨店に流通してもそもそもの売れ数が増えないからスケールメリットは効かないのかなぁ。
こういう真面目なブランドが成功して、もっと国内タンナーとも「連動」してもらってAll Japanで世界に挑戦する靴がどんどん出てきたら良いなぁ、と思うのでした。
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RENDOがAmazonでも買えるようになりました。靴は実際に試着してみないとわからないので最初は店頭に行くことをおすすめしますが、2足目以降ならお手軽でいいかもしれません。いまのところレザーソールはキャップトウ(ストレートチップ)だけみたいですね。
国産キップを使った国産靴なので、クリームもなんとなくブートブラックを使っています。この靴に使われている革は少し凹凸が目立つので、気になる人はキャップの部分にワックスを塗るとよいかもしれません。
All Aboutの飯野さんの記事でみて、気にはなったものの、最初にオンラインショップを見た時はマイサイズが売り切れていたのと、そのころは別のことに気が向いていたこともあり、ちょっと忘れかけていた。
その後、ちょっとした出来事があって、靴を買う理由(と資金)ができたのでネットを見ていたら、たまたまRENDOの記事に辿り着いた。ネットで集めた情報だけをみると、まっとうな靴っぽいし、イマドキの水準からするとリーズナブルなこともあり、店頭で実物を見てみることにした。
お店は銀座線の浅草駅から10分程度でちょっと遠い。
電車で行くよりも、東京駅八重洲口から出ているバスで「隅田公園」または「浅草七丁目」あたりで降りると近いかも。
靴が壁に並べられていることが多い靴屋さんが多い中で、RENDOは壁一面に在庫があって、靴はテーブルに並べてある。
取り扱っている商品はキャップトウ、パンチドキャップトウ、サイドエラスティック、プレーントウと新作のダブルモンク。現在でもいくつかデザインを企画中だそうで、今後はよりラインナップが拡充するっぽい。
R7702はあまりロングではないアーモンドタイプなパンチドキャップトウ。
伝統的なラウンドトウとくらべてみるとややポインテッドであるものの、昨今巷にあふれる長い靴とは違ってコンパクト。
トウと羽根の部分に施されたパーフォレーションは小ぶりで繊細な印象。ネットの情報をいろいろ見る限りではセントラル製ではないかと。
この靴はどちらかと言うと幅が少しタイトにできていると言われているけれど、ショートノーズなせいか外見はあまりそう見えない。僕はEE程度の足のため購入時にタイトな履き心地になるかも知れないとのアドバイスを受けた。もっとも、我慢できないくらいタイトだった時は預かり等でストレッチを試みてくれるとのこと。実際、カウンターの奥にもストレッチ中の靴が置いてあった。
履いた感じではボールジョイント周りはそれほど絞らず、かかとに向けて絞り込んだラストという触れ込み通り、かかとを意識的にすぼめてある。
硬い芯が入っていることもあり、試着の段階ではかかとを掴む感じが気に入った。購入後初めて外出してみたら5分もしないうちにかかとの内側が痛くなった。あと、この靴はかかとのスポンジはそれほど入っていないようで、シェットランドフォックスあたりと比べると少し硬い。(履いてる限りではまったく問題ない)
どうも内側の絞り込みがきつすぎるようなので、指で少し広げるような感じで調整してみると、なんとか一日履けないほどの痛みは無くなった。この靴は底面はそれほどきつくないが、履き口に向かって上がるに連れて結構急にカーブしている感じ。
甲は履き口に向かって二の甲を過ぎたあたりから緩やかなカーブを描く。一の甲は低め、二の甲はゆったりめ、三の甲はふつう。
幅はネット上の記事をみるとかなり細めとされている(Dウイズ)けれど、それほどでも無い気もする。少なくてもボールジョイントの感じは同サイズEウイズのソフィスアンドソリッドのように横から締め付けられる感じはしない。
履き始めから大きいほうの左足小指に違和感があり、1日履くと夕方以降かなり痛くなった。この靴はノーズがそれほどでもないため、トウ先に向かってカーブがきついのかなぁと感じた。靴のサイズは実測よりも少し大きめのサイズになっているのだけれど、ラストが想定しているよりも少し幅広な足のようで、それがキツイ原因かも知れないと思っていた。
当初の印象は少し痛い靴。LGW3001のように全体的にきついという感じではなく、当たるポイントが点になっていて、小さいほうの右足はあまり問題がないのに、大きいほうの左足小指が壊滅的にダメージを受けてしまい、外出の多い日は避けていた。(小指にタコができた数少ない靴なので)
ところが20回くらい履いているとそれほどのダメージがなくなった。足に合うようになってきたのかなぁと思っていたころに、意外な事実を知ることになった。
先日、マッサージを受けた際に僕の歩き方(というか、現代人に多い歩き方)は足を外側(小指側)から着地して、そのまま外側で蹴りだす傾向があるといわれた。こういう歩き方は腰痛になりやすい。あまり意識したことがなかったが、実際に意識してみると確かに外側に力がかかっている。本来は足の内側を意識して親指でしっかり蹴りだす歩き方が正しいとのこと。
確かに外側に偏った歩き方は蹴りだしの最後に小指に力がかかる。左足を軸にする癖のある僕の歩き方だとサイズの大小にかかわらず踏み出すごとに左足の小指にテンションがかかる。
親指を意識した歩き方を意識するようになったら小指へのダメージが減った気がする。
足のタコマメの原因は足とラストの相性だけではなく、歩き方にも原因があったわけだ。
アッパー素材は国産キップ。なかでも良い所が使われているらしい。
肌理の細かさ、しなやかさ、光沢感などはさすがにウェインハイムレダーあたりのカーフに比べれば劣る印象は否めないものの、がっしりとした質感はビジネスユースとしては安心感があったりもする。厚手で、シワが大味に入るあたり、印象としてはリーガルBOSラストのキップと同じ感じ。少しクリームの乗りが悪いかな。この靴にはBoot Black(黒蓋)を使っているのだけれど、雨にぬれるとしみっぽくなるのが目立つ感じがする。
(ブラウンは仕上げを考えるとさらにシミになりやすいかもしれない)
ピッカピカの靴というよりは、「丈夫そう」という印象で、数年後どうなるかは楽しみでもある。
コバの目付けを仕上がりの段階で行うため、ウェルトからソールにかけてはスッキリとしながらも高級感のある仕上げ。正直、僕にはあってもなくても評価に変わらないディテールなのだけれど、靴の作り手の立場からすれば、この仕上げをするということはすべての靴を手に取り、一周させることになる。これはプロデュースする靴の最終確認でもあり、魂を入れる過程でもあるのだろう。価格競争の中でこうした手仕上げは省略されるかいい加減にされることが多くなっている気がする。RENDOはプロダクトとしてきちんと仕上げてくれているのは大きな安心感。
ソールもこだわりの仕上げがされている。
ヒドゥンチャネルにコテで表情を入れている。これもディテールだけ見ればあってもなくても靴そのもの使い勝手は変わらないけれど、必然的にアッパーとソールがしっかりついているか、余計なキズは無いかをチェックする事になるわけで、その辺りしっかり検品されているという安心感は大きい。
この手のロングノーズではない靴はつま先のヘリが穏やかなのがありがたい。リペアまでの期間が伸びるし。
ソールそのものは雨にぬれるとかなり柔らかくなってしまう。乾燥させた後、ソールコンディショナーを気休めに使うほうがよさそう。ソールの塗料は水に弱い感じ。
僕は革靴にはドレスシューズとビジネスシューズがあると思っている。
前者はパーティーやセレモニーなどで履く靴で、どちらかと言えば見た目重視。後者は普段履きで、耐久性やリペアとお手入れのしやすさ、長時間履いた時の履き心地、経済面が優先される。
RENDOは僕の中での位置づけは後者。いわゆるふつうのビジネスパーソンのために、コストを意識しながらグッドイヤーウェルテッドの靴を真面目に作ったらこうなりました、という感じ。アノネイやウェインハイムレダーの革を使いました的なアイコン勝負ではなく、ラストや作り込み、仕上げといった一般的にはなかなか評価されにくいところをまじめに作りましたと。
「良い靴」を作るためには当然にお金がかかる。
それは素材だったり、職人さんの腕だったり、製法だったり、加工だったり。
4万円というひとつの基準の中で、どこにどうコストを掛けるかというところは企画者の腕の見せどころ。特にRENDOのような新しいブランドはなんらかの差別化を持っていないとあまたのブランドの中で生き残るのは大変だろう。
RENDOの答えはなんだろうか。素材や流通にかかるコストを抑えて、その分手間や顧客との対話を増やしたというところだろうか。
「アノネイガー」「ゾンタガー」のようなノリで6、7万円だったら正直興味なかったかも。それならREGAL TOKYOあたりでBOSすればいいし。
RENDOは浅草の店舗と通販のみで展開するブランド。
浅草まで行く機会がある人は絶対に現地で履いてみてから買ったほうが良いけれど、特にウィズ展開しているわけでもないし、試着後の交換は可能みたいだし、結局はある程度履きこまないとわからないこともあるから割り切ってwebでトライするのも良いのではないかな。
RENDO、ビジネスシューズとしては悪くないと思う。
最近はすぐに原材料高騰とかで何千円も値上げするブランドが多い中で、1足4万円程度でグッドイヤーウェルテッドなのだから、それだけでも購入検討に値する。中間マージンカットのためなのか、直販のみなのが残念。この手の革靴は百貨店に流通してもそもそもの売れ数が増えないからスケールメリットは効かないのかなぁ。
こういう真面目なブランドが成功して、もっと国内タンナーとも「連動」してもらってAll Japanで世界に挑戦する靴がどんどん出てきたら良いなぁ、と思うのでした。
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RENDOがAmazonでも買えるようになりました。靴は実際に試着してみないとわからないので最初は店頭に行くことをおすすめしますが、2足目以降ならお手軽でいいかもしれません。いまのところレザーソールはキャップトウ(ストレートチップ)だけみたいですね。
国産キップを使った国産靴なので、クリームもなんとなくブートブラックを使っています。この靴に使われている革は少し凹凸が目立つので、気になる人はキャップの部分にワックスを塗るとよいかもしれません。
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