2022年1月24日月曜日

REGAL 01DRCD - 10 years have passed

01DRCDもほぼ10年。

2013年に購入してから、晴れの日も雨の日も、時には雪の日にも、長期出張時のヘビーローテーションにも負けず頼りになるビジネスツールとしていつも傍にあった靴。

平均的には1週間に1度くらいの登板をしている。洗って乾かしている期間とか、新しい靴を買って登板頻度が減った時期を考慮して控えめに考えても300回以上は履いている。

ソールに穴が開いたら張り替えようと思っていても、かろうじてまだ開いていない。この間にはつま先の補修をしたくらいで、本格的なリペアのお世話になることもなく10年持ってしまった。かかとも異常なほどに減ることはなく、ほつれたりはがれたりしてくることもない。同じようなローテーションをしていたインバネスのほうが先にソールを張り替えたので、01DRCDのほうがなんだかんだで持ちこたえている。

細かく見ていくと、アッパー側はクリームの蓄積なのか光り方が少し人工的っぽくなっていたりクラック出ていたりで、コバも歪んでいる。内部に至ってはもうボロボロ感が出まくっている。

このくらい履きこんでしまうとソールの返りなのかフットプリントなのか、とにかく靴全体の形が足と一体化してくるのでかえってソールを交換したくなくなる。ほぼ無敵の履き心地である01DRCDをオールソールしてしまうことで一部がリセットされてしまうくらいなら、ソールが壊れて物理的に履くことができないという状況になって初めて修理でもよいかな。


サイトはSNSでもこの01DRCDの良さが語られていることも多い。

ある程度靴のお手入れはしてきたつもりだけれど、どちらかというと気が向いたときにやっている程度。
いろいろなサイトで見ると結構ていねいにお手入れされている靴が出てくることが多く、それに比べると自分は扱いが雑だなぁと毎回思う。

そんな扱いなので出張時にはほとんどお手入れせずに3か月くらいヘビーローテーションということもあったけれど、10年はきちんと持つ作りになっている。
すごくていねいに履く人であれば、本当に15年や20年持ったとしても不思議でもなんでもない。
300回って、毎日同じ靴履いても営業日ベースで1年半近くなる。半年に1度履きつぶすような靴選びを10年続けるよりは、10年履ける靴を5足かってローテーションのほうがいい気がする。


この靴はブログでもときどき書いていたのでそれぞれの頃の扱いと状態が残っている。
当初は比較的ていねいにお手入れしたり洗ったりをしていた。
中盤になると履き心地が完成されてきて、とても歩きやすい靴に。このころはブラシ掛けと本当にたまにクレム1925を塗るくらい。
最近もお手入れは同じ傾向だけれど、クラックも入ってきたので少しデリケートクリームなどを入れたりしてこれ以上壊れないように気を使っている。


いちばんのダメージが大きいソールについては、適度(3ヵ月に一度くらい)にソールコンディショナーを入れてソールが締まっているためか、かなり薄くなってきた感があり、そろそろかもしれない。

屈曲が厳しいところはひび割れが大きい。ソール全体では踏み固められるくらいが稠密さを保つことができるようで、とにかく雨に降られたら適度に乾かしソールコンディショナーを塗ったら気兼ねなくまた外を歩き回ればよいようだ。

つま先は何度かメンテナンスしてしまっているので少しダメージが多かったのか裂け始めてきてしまっているので、さすがにソールはそろそろ限界かな。

アッパー側はどちらかというと表面が少しヤレてきたという感じがする。
数年に一度くらいの頻度で靴を洗っていたためか、つま先が少し色落ちしてしまっている。
通常利用では黒のクレム1925を入れているので目立たないが、ちょっとお手入れをさぼっていたり、クリーナーで古いクリームを落とそうとすると目立つ。
僕は鏡面をしない人なので、つま先にクリーナーを使うといってもボコ染みだらけになって塩を吹いてきたときにぬぐう程度。
暑い日寒い日雪の中でも履いていたため、靴にとってはダメージ大きい環境だったからアッパー側も少しくたびれてきていてもおかしくない。

ソックシートと内部は結構ボロボロ。

やはり靴の内部は湿気が多いので内部の補油(加脂)も少しは意識したほうが良いかもしれない。(洗った後のメンテナンスが悪かっただけかもしれないけれど)
塩分抜きと汚れ取りを兼ねて、おしりふきのようなほぼ水しか入っていないウェットティッシュできれいにして、軽くデリケートクリームみたいなものを入れておいたほうが良いのだろうか。
なんとなく、靴の中にクリームを入れると菌のエサになりそうで、水洗いしたときの油分補給以外でのデリクリ投入は少し気が引けてしまう。


さすがにいろいろとボロが出てきていて、僕の技術だとこのあたりまでが見た目の雰囲気を維持する限界かな。

とはいえ、10年間もビジネスの道具として第一線で活躍してきた靴であり、(週1回くらいの登板なら)「まともな革靴は10年くらい持つよね~」という証拠品でもある。手持ちではほかにW131とかW134とかふだん履きしているものの中で年数だけで見ると先輩格の靴はあるけれど、こちらは01DRCDよりやや登板頻度が少ないのでもう少し状態が良い。月に2、3度の登板なら10年なんてまだまだで、20年くらいは持つだろう。

出た当時は「REGAL得意のとりあえずモデル」だと思っていたものの、いまだに終売されることなく販売されている。
途中プレーントウタイプがあったのに、そちらは気が付いたら終わっていた。ちょっとだけノーズ変えてタンナー変更した靴は、さてどれだけ続くか。01DRCDの完成度があまりにも高いので、逆に中途半端なキャップトウがかえって格好悪く見えてしまう。

昨年後半に The Master Regal というものが出てきていたけど、1店舗ワンサイズのみなんて言う靴好きホイホイなモデルで無駄にお客様を店舗に呼び寄せるなんてのはメーカーの都合。顧客志向とは思えないようなマーケティングの意図が良くわからない。いい靴が売れるわけではないが故にいい靴が宣伝でしか使われなくなってしまうのもなんだか残念。

01DRCDはそれこそマスターピースなのではないだろうか。ビジネスでも、冠婚葬祭でもこの靴一足あれば「きちんとした」場所でこんな頼もしい靴はない。供給量も豊富に見えて、それこそ欲しい時に手に入る。

リーガルが本気出してよい靴を作ってしまうと4万円でここまでできてしまう。これだと競合はよほどエッジの聞いた立ち位置にしないと価格では勝負にならない雰囲気。
スコッチグレインの価格もリーガルと同じで、それなりのスケールで販売が見込めれば、4万円で何年もはける靴を作ることができる。
後者は履いたことがないけれど、安易に価格を上げないで定番をしっかり売り続けるきわめて良心的な商売をしていると思う。

SDGsやらカーボンニュートラルなんやらで、「牛」自体もやり玉に挙げられる今日、ただでさえ生活スタイルの変化で利用者が減ってきた本格的な革靴は結構苦境かもしれない。
ただ、食材の副産物からできていて何百回も履くことができる革靴は、大量消費とは真逆のエコな道具なのではないかと思ってしまう。革が欲しいが故に牛が育てられるという話は聞いたことが無く、仮にあったとしても無視できるくらいの規模だろう。

天然皮革は長持ちするが故にサスティナブルだと主張する人たちもいる。これまでよりもカーボンフットプリントが小さい天然皮革の開発も進んでいる。
革靴に限らず、結局のところ一つのものを大切にするということは環境面でも経済面でもそれ以外の面でも良いことが多いのではないだろうか。仮に製品製造の環境負荷が10倍だとしても、利用期間が20倍いくならばメンテナンスコストを入れてもまだまだ分がある。

と、いろいろと革靴を取り巻く環境もありそうだけれど、そういう話は抜きにして大切に使うということ自体が気持ちいい。
10歳の01DRCDをお手入れしながらあらためてそう思う。


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キャップトウ(ストレートチップ)を選ぶなら候補に入れたい01DRCD

6 件のコメント:

  1. 早いものですね、自分が読ませて頂いてからも10年ほど経つということになります。
    01DR、10歳の誕生日おめでとうございます。履き潰した、ではなく大事に育てられて無事10歳を向かえた、がふさわしい流石の雰囲気ですね。
    僕もshoe*さんと同じくSFの靴が多いのですが、10歳を祝える靴はまだありません。手持ちで最古参はブリストルですね。
    これからも、10年履きたいと思える靴たちへの出会いを楽しみにしています。個人的に最近ではオリエンタルの履き心地が素晴らしかったので、機会があれば是非試してみて下さい。お忙しい中とは思いますが、これからもブログの更新を楽しみにしております。(週2位で見てしまいます)

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    1. ポン太さん、コメントありがとうございます。
      01DRCDは店頭で一目惚れ買いでしたが、この10年間で雨の日はもちろん、北海道の出張で雪の中滑りまくったり、長期出張時も選抜メンバーとしてつねにビジネスシーンでの頼れる相棒でした。

      ブリストル、これもまたいい靴ですね。
      トウにボリュームのあるロングでない靴として、履き心地も含めて完成度の高い靴ですよね。この靴もなぜかソールが丈夫な気がしていて、結構持ちそうな感じがしています。

      オリエンタル、そういえばなんとなくケンジントンIIと同じようなコンセプトで気になっていて次の候補に入れていたこともありました。最近はアーチケリーを買ったこともあり革靴も少しカジュアル寄りになっていて忘れかけていました。WFGあたりに立ち寄った時に履いてみようと思います。

      このところ1年間で1、2本とほとんどやる気が見られないブログと化していますがネタ仕込みは少しずつやっていますので気が向いたときに見てもらえると嬉しいです。

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  2. 疲れていらっしゃるのか、こういう文章を書く方なのかはわかりませんが、かなり読みづらいです。アップロードする前に一度読み返すことをオススメします。
    他人に読ませる(読んでもらう)つもりで書いているのならの話ですが。

    ①いちばんのダメージが大きいソールについては、適度(3ヵ月に一度くらい)にソールコンディショナーを入れてソールが締まっているためか、かなり薄くなってきた感があり、そろそろかもしれない。

    ②つま先は何度かメンテナンスしてしまっているので少しダメージが多かったのか裂け始めてきてしまっているので、さすがにソールはそろそろ限界かな。

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    1. ご指摘ありがとうございます。
      以後気を付けます...

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  3. お久しぶりです。

    傷やヤレ感、足に馴染みきった感じが歴戦の相棒といった雰囲気を濃厚に漂わせていますね。お人柄が伺えます。

    週一ローテで雨風気にせず10年近く履いた靴と聞いて私がイメージする靴は、もっともっとボロボロなものですが、画像を拝見するといい味だしていて心温まります。

    一定の着用間隔とある程度のメンテナンスを怠らなければ、雨はさほど問題ではなく、ある程度の素材と造りの靴は長持ちするということの一つの証明ですね。

    それにしても、アウトソールやヒールの消耗が少ないですね。私と比べて1/3も消耗していないように見受けられます。個人差と思いますがうらやましい限りです。

    新しい靴のレビューも勿論ですが、この01DRのように、このブログで取り上げられた靴たちのその後を、修理やメンテの機会にでもチラッと紹介していただけると嬉しいです。靴買いましたの情報は珍しくありませんが、経年の情報は中々巡り合えないので。

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    1. おひさしぶりです。

      最近は靴を買うこともなく、適当なお手入れをしながら手持ちをローテーションしています。

      比較的01DRCDはローテーション頻度高めですが、ソールのお手入れを意識していたこともあってヘリは少ないと自分でも思っています。
      マメなつま先メンテナンスも奏功しているかもしれません。

      今年はいろいろと激動の一年で、なかなか靴買ってお手入れしたりする気力みたいなものが減っていたのですが、hayateさんのブログみるとやっぱり新しい靴欲しくなりますね。

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