2017年10月11日水曜日

Schoenheight SH111-4 1年10か月

ショーンハイトの SH111-4 を購入してから2年弱。
晴れの日も雨の日もあまり気にせず履いてきた。

左足をM.モゥブレイ系、右足をブートブラック系でのお手入れも継続中。
おおまかなところで言えば、最初に受けた印象のまま継続といったところ。
見た目の味付けは違えど、柔らかさや保革といった部分は大差が無いようだ。

1度洗っている時点でクリームがリセットされていることもあり、結果として「劇的に左右が違ってきた」という多くの人が期待する結果になっていないのがなんともというところ。

M.モゥブレイを塗っている左足。

こうしてみると、M.モゥブレイは素材を活かすような仕上がり。
べとつくようなこともなく、SH111-4に使われている素材の特徴であるさらっとした表面の仕上がりをそのまま残すような感じ。
ワックスを使う下地としてには余計な蝋分入れないので良いのではないかな。


ブートブラックはそれ単独で完結するような仕上がり。

ブラッシングを丁寧にしてからぶきするとそこそこ光る。
保革しつつも一定の光具合がほしいというときは便利かな。
靴のお手入れ自体が趣味な人は別として、できる限り時間をかけずに光る効果を得たいというときにはいいかもしれない。

ちなみに僕はM.モゥブレイよりもブートブラックを使うことが多い。
特に国産キップでしわが大味に入るようなものにはコレ一択。
ワックスをほとんど使わない僕にとっては、一本でそこそこ光るブートブラックは使い勝手が良い。


ソールに関しても機能的に大きな違いを感じられないというのが本当のところ。
(僕は鈍感です)

ショーンハイトのレザーソールは意外に丈夫。
週1程度、晴れの日も雨の日も比較的酷使しても、つま先はもう少し持ちそうだし、ヒールもまだまだいけそう。
ソール全体がもともと厚いということもあり、レザーソールであっても雨の日でもソールの摩耗を気にしないでも良さそう。

というか、雨の日に履いたことでエラく摩耗をするという印象は無いのだけれど、本当にヤスリがけのように減るのだろうか?
コバのお手入れで軽くヤスリかけると結構削れるけれど、そんな感じでソールが減っていく感じは受けない。

減るのって雨の日に歩くからではなくて、一度濡れてふやけたものが乾燥したことでひび割れやささくれを起こし、その状態でアスファルト歩くからではないのだろうか。

左足はM.モゥブレイのソールモイスチャライザー、右足はブートブラックのレザーソールコンディショナーを使い続けた限りでは、減り具合に大差は無いように見える。
滑り具合とか履いた感じに関してもそれほどの差を感じない。どちらかが明らかに滑るということもなければ、どちらかが水が染みてきやすいと体感的にわかる程でもない。

唯一違いがあったのが元のステインへの影響。M.モゥブレイは濡れてもあまり変化がない一方で、ブートブラックはシミが出やすい。

M.モゥブレイのソールモイスチャライザーを使っている左足。

ブートブラックの右足。

以前、RENDOのソールもステインが雨に弱いという印象を受けたけれど、ひょっとしたらブートブラックのソールコンディショナーの影響もあるかもしれない。

単に個体の問題かもしれないが、ソールにこった仕上げがしてある場合はM.モゥブレイのほうが安心かな。


1年10か月ほど履いて、2泊くらいまでの出張の時などはコレ1足なんてときも結構あった。それなりにヘビーユースをしたのではないかと思う。

いまのところ解れたり破けたりということはない。しっかりと作られていることがわかる。
インソールも擦れるところが少ないのか、比較的きれいな状態を維持している。
よく起きがちなかかとの擦れがないことからも、ショーンハイトのかかとのつくりはややゆとりがあることがわかる。

しわの入り方は僕が知る2015年頃の国産キップよりはややマイルド。
リーガルのW131とRENDOはほぼ同じ傾向の太めのしわが入る。ショーンハイトのSH111-4は同系統ではありつつも、やや穏やかに入る。
クリームがきちんと入った状態では結構柔らかくなるため、指に刺さるような感触もない。

ちょっとばかりゴツい見た目なのに、履き心地はとても良い。
タイトな履き心地ではなくあまりきつくない履き心地。ソールの返りもよくて、かかともついてくる。
RENDOが甲全体とかかとでフィットするような履き心地とすると、ショーンハイト(のSH111-4)は三の甲あたりでフィットさせてあとは自由にしているような。結果、タコができることも無い、足にやさしい靴という印象。


靴を大切に履くことはとても重要ではあるけれど、「大切」が天気を気にすることだったり、満員電車でヒヤヒヤするということであれば僕にとってはオーバースペック。

ショーンハイトのレザーソールシリーズ(税抜き2万円のライン)は靴に必要以上の意識を持つことのない、道具としての重要なポイントがしっかり押さえられた靴。
そのポイントの一つの理由に価格があるわけで、この価格だから雨の日も気にせず履けたり、水洗いする勇気が出ているこということも事実。2万円という制約の中で、スムーズレザーを使い、ソールもレザーのグッドイヤーウェルテッド製法。
リーズナブルな価格でリペアができるため、ソールの減りを気にするよりも、どんどん履いて仕事に集中できる靴。

素材一つひとつを細かく見たり、ソールの仕上げにおける手のかけようなど10万円の靴と比べて足りない部分をあげることはいくらでもできる。
だが、同じ価格帯でショーンハイトと勝負できる靴はほとんどないのではないだろうか。
雨の日も晴れの日も気軽に履けて、お手入れの楽しさも感じることができる。愛着がわいたら修理をして永く付き合っていける。極めて実用的な部分で他社との差別化されているオンリーワンの靴。


最近(でもないか)は浅草にオーダーサロンもできたようで、ここなら素材の変更やらデザインの微調整やらができてそれでも4万円以下って、もう東京近郊の人で木型と足が合うならここで完結できちゃいそうな勢い。
いまはシングルEの木型もあるんですね。サンプルシューズが無いようなので確かめようが無いけれど、甲周りが少しタイトになるのであれば、オーダーでもいいよなぁ。

もちろん、ショーンハイトがカバーできない領域もあるので、それはそれで魅力的な靴はたくさんある。ショーンハイトは結構「ふつうの靴」。だが、その「ふつうの靴」をビジネス展開し、維持していくことは意外と難しい。

「英国の良心」がチャーチなら、ショーンハイトは「日本の良心」の有力候補ではないかな。

2 件のコメント:

  1. お元気そうで何よりです。

    先日は拙ブログをご紹介下さりありがとうございました。

    約二年、綺麗に履き込まれたショーンハイトをと、懐かしく感じられる説得力のある文章に触れ安心しました。

    クリームの違いは今の所光り具合に現れる感じでしょうか。革の経年がもっと進んだら他のちがいが現れたりするのかもしれませんね。

    ショーンハイト良い靴ですね。
    手堅いビジネスシューズのお手本のようです。
    欲しい靴の優先順位がまた変わりそうです(笑)

    ソールの摩耗要因、身につまされました。
    ひょんなことから03DRをオールソールに出しましたが、メンテしていたらもう少し伸ばせたのかもという思いがあります。
    濡らした後のソールメンテ、意識してチャレンジしてみようと思います。shoe*さんはどのようなタイミングでされていますか?

    あれやこれやお聞きしたいことが色々ありますが、次のお話しを楽しみにお待ちします。

    首はもう伸びきっていますので、これ以上伸びる心配は御座いません(笑)
    ボチボチとshoe*さんのペースで続けて下さると嬉しいです。

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    1. コメントありがとうございます。

      この靴は結構シビアな履き方をしたこともあって、かかとのあたりが擦れてきたりと、他の靴よりダメージが大きいのですが、つま先やかかとの減りが遅いのが助かります。

      こうやって塗り比べてみると、ブートブラックは蝋分が結構多いことがわかります。
      黒蓋はプロ向け扱いとなっていますが、どんな「プロ」をターゲットにしているのかイマイチよくわからない商品です。
      僕がイメージする靴磨きのプロは乳化性クリーム+ワックスといった使い方です。この場合は乳化性でそれほど蝋分を意識する必要がない感じもしますので、今度リファーレにいって開発コンセプトを聞いてみたいです。

      SH111-4で使われているSH111(2E)ラストは01DRCDのラストと比べるとややゆとりがあるような感じもします。
      ただこれは内羽根と外羽根の違いもあるかもしれません。

      ソールのメンテナンスは気が向いたときに塗る程度です。
      購入時と水洗い時には意識的に多めに入れ、また土砂降りの中ずっと歩いて靴の中にまで水が浸入した時は乾かしたのちに塗ることが多いです。
      ただ、靴全体が濡れたときはアッパー側も含めてそれなりに手を入れるので、ソールも含めてお手入れしているという感じです。

      それ以外のちょっと降られたくらいの時はそのままということも多いです。オイルを入れすぎると通気性が損なわれる気がするので(気がするだけかも)、いつ塗ったか忘れたころに塗ってみるみたいな。

      いま長期出張中(年末まで)のため、靴も一部だけしたもってきていませんが、その中にこのSH111-4を入れました。
      この靴がローテーションの中にあるとなぜか安心な気がするという。

      それと、とある記念に買ったもののなかなか機会がなくて履けてない靴があります。
      またひさしぶりにレビュー記事でも書いてみようかと思っています。

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