唐突に始めました「平成の逸品」。
平成時代に登場した革靴にまつわる商品を、その想いとともにご紹介するシリーズ。
限定品や廃盤品は除いて、記事を書いた時点で手に入れることができるものを取り上げる予定です。
雑誌を見ながらあれが欲しい、お金を貯めたらこれを買おうなんて想いを馳せた10代後半、自分のお給料でドキドキしながら買った靴をやり方もわからずクリームを塗りたくっていた20代、人生のバブル期とその崩壊を経験し何足も靴をダメにしてしまった30代、やっと人並みの生活に近づいた40代と、僕の人生多くを過ごした「平成」がもう少しで終わる。
そんな中で出会い、いまも愛すべき靴にかかわるモノをつらつら書いていきたい。
記念すべき(?)初回に取り上げるのは
「東急ハンズ×コロンブス 東急ハンズオリジナル クリーニングブラシ 馬毛」。
名前が長い。
2017年の秋冬、長期の出張の際に出会ったブラシ。
当時、出張の際にいくつか靴をもっていったのだけれど、汚れ落とし用のブラシを忘れるという失態をおかしてしまった。ブラシがないことに気づいて、近くにあった東急ハンズで購入したのがコレ。
実はこの東急ハンズのオリジナルブラシは以前からちょっとばかり気になっていた。
ただ、汚れ落とし用のブラシはすでにそこそこ使いやすいコロンブスのジャーマンブラシがあったので、あえて購入する必要もないことから気にはなりつつ買わずにいた。
そんなブラシを結局手に入れることになったのは、一つのご縁ではないかと思う。
当時は、仕事も深夜になることが多くてなかなかクリームをつかったお手入れができない日々が続いていたものの、ほんの数秒このブラシを使って汚れを払うくらいのことはやっていた。
靴のお手入れグッズとして、誰もが一つは持つべきものと思うのがこの「汚れ落とし用のブラシ」。
お手入れの入り口である「汚れを落とす」だけではなく、保管時の埃を落としたり革の表面を整えるなどとにかくこの「汚れ落とし用のブラシ」は必須といえる。
個人的には「汚れ落とし用のブラシ」と「乳化性クリーム」だけ買えば、あとは家にあるもので十分代用できる。このブラシは「あったら良いもの」ではなくて、「ぜひ用意すべきもの」。革靴を履くようになったら真っ先に手に入れるものだと思う。
職人レベルまで行ってしまうともう少しブラシにこだわりが出てくるのかもしれないけれど、僕も含め、靴のお手入れがせいぜい趣味レベルの人にとってはまずは馬毛のそこそこ大きなブラシがあればお手入れは十分ではないだろうか。
そう、汚れ落とし用のブラシは大きさが使い勝手に影響する。
小さいブラシだと扱いにくいし、そもそも全体をブラッシングするのに時間がかかる。ある程度大きくてそれなりに毛がふさふさしていたほうが良い。
よく「初心者向けお手入れグッズ」みたいな感じでクリームやブラシなどのセット商品が売られているけれど、そこに入っているブラシは絶対的に大きさが足りない。毛の絶対量も少ない。僕の周りで靴のお手入れをそれなりにしっかりしている人で、あんな小さなブラシを使っている人はいないので、やっぱり使いづらいのだろう。
「初心者は小さいブラシでOK」なんていう根拠も理由もないので、ブラシこそ単品でしっかりしたものを買うべきである。
セット商品は売手側から見ると単価は上がるしいずれ買い替えるしでいいのかもしれないけれど、靴のお手入れ道具をそろえるのであれば中途半端なものを一式そろえるよりも一品ずつ必要に応じてそろえていったほうが無駄がない。僕はこうしたセット商品を紹介している靴ブログを見ると、本当に自分でそれを使うイメージを持って心から紹介しているのか真意を聞きたくなる。
で、汚れ落とし用のブラシとして、比較的入手がしやすくて価格がお手頃で、そこそこサイズが大きいブラシの一つがこのブラシ。
「東急ハンズオリジナルクリーニングブラシ」(略しました)
これ、逸品である。
僕は黒い靴にもそれ以外の靴にもこのブラシ一本でお手入れしている。汚れ落とし用のブラシはそれほどクリームの影響を受けないので。
大きさは靴のサイズと比較しても十分な大きさがあり、また毛の長さもそこそこ長く、あまり力を入れずに全体をサッサッとブラッシングするだけで日々のお手入れは完了してしまうラクチンさ。
ブートブラックの缶と比較してみるとこんな感じ。それなりに大きい。
コロンブス定番商品のジャーマンブラシに比べると、毛並みがやや大雑把であるものの、比較的柔らかめかつ長めの毛足のため、普段使いの汚れ落としにはちょうどいい。
コバの奥など少し硬めのブラシ入れたいときは使い終わった歯ブラシあたりでも十分なので、全体にはこのブラシだけ。
色のついたクリームを塗っている靴も、最後にからぶきしている段階で余計なクリームが取れていることもあり、同じブラシを使っていても色移りするようなことはない(ような気がする。ミクロレベルで見ると影響あるかもしれないけど)
淡い色の靴が多い人は黒(そのほか濃いめ)用と薄い色用に分けてもよいかもしれないが、しっかりからぶきしている人であればそれほど気にすることないと思う。
色移りを気にするよりも、ブラシがかかっていない状態のほうがよっぽど靴に悪いので、そっちを優先して気にしたほうが良いかも。
もし、舗装されていない道路を歩くことが多くて、泥などが付きやすい環境にある人は、泥落としを中心に使うブラシを用意してもよいかもしれない。その場合、ブラシに移った泥に含まれる砂によって傷だらけになるのを防ぐために、少し小さめの馬毛ブラシを用意するか、事前に丁寧にからぶきか場合によってはウェットティッシュで汚れ落としをしておくと安心。
東急ハンズのコロンブスコラボシリーズはデザインも含めなかなか凝ったものが多い。コラボ商品なので購入できる場所が限られるのが難点であるものの、店舗が近い人はぜひ一度店頭で見てみてほしい。
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