2016年5月22日日曜日

Schoenheit SH111-4 2nd Report

ショーンハイトを購入してほぼ5ヶ月経過。


この間だいたい週に1回くらい履いているので20回ちょっと履いた後の感想。

履き始めに柔らかい感じを受けたけれど、それはそのまま継続。不思議と痛くなるところがない靴。
いままで購入時キツ目の傾向があったのでたいていの靴は靴ずれしたりマメができることが多いのに、この靴はいまのところそういったことが無い。
足首に近い三の甲できっちり締めて、それより先の部分にゆとりがあるためなのか、ソールの反りが厚手の割には比較的柔らかいためなのか明らかに他の靴に比べてダメージが少ない。履き口が小さい分、全体的な緩さを感じないということもあるかもしれない。

何度か小雨に振られたり、濡れた路面を歩くことがあって気がついたのは、ショーンハイトのこのレザーソールは湿っていると結構滑る。特にソールにブートブラックのコンディショナーを塗った右足側は滑ることが多く、水分を含んだ状況で摩擦係数が少ない路面を歩くのは注意が必要かも。

アッパーのキップは意外にしわが綺麗に落ち着いてきた。
リーガルのW13xやRENDOに比べると明らかに繊細なしわが入るため、見た目だけで言えば質が高く感じる点は高評価。クリームはあまり多くは塗っていないので、表面の凹凸感は残るものの、単に「丈夫そう」だけではなく、しなやかさな感じも残っている。

この靴は左右でクリームを分けている。
左足のM.モゥブレイシュークリームジャーは極めてフラットな感じ。


買った時の状態に近い。
このクリームはワックスで仕上げることを前提にしているか、そもそも靴にあまりギラツキが必要ない(保革を重視)する人向けかな。

一方でブートブラックは評判通りギラツキ感が強く出るクリーム。


クリームを入れた直後は結構差がでる。
しばらく履いて乾拭きだけを繰り返すと、やや光沢という観点では落ちてくるものの、様々なワックスを入れて光らせることも目的にしているクリームという感じ。少し塗りすぎるとビーワックスなどに特有の乾拭き時の引っ掛かりとムラが出やすいので、意識的に薄塗りする必要がありそう。

ソールが厚めなのと、まだそれほどすり減っていないということもあり、今のところ多少の雨(土砂降りではなくて)くらいだと靴の内部に水が侵入してくることも無い。
ソールも雨に濡れても削れやすいという印象は無いので、耐久性もあるのかもしれない。(ここはまだ良くわかっていないので、あくまでも「気がする」レベル)

ショーンハイトは見た目や履き心地の方向性は、最初の革靴には最適かもしれない。
よくありがちなEEEやEEEEなどのぽってりとした靴に近い外見は、細い靴を怖がる人にも安心感を与えそうだし、ふわっとした柔かい履き心地は革靴に慣れていない人でも我慢できる範囲にあるような気もする。
ラバーソールなら税込み2万円以下という価格も、2504NAよりも押さえられているし、それでいてスムーズレザーでお手入れの楽しみもある。
靴は試履して買うのが大前提とはいえ、リーガルで言えば2504NAあたりとサイズ感が近いと思うので、返品覚悟の通販で買うならば、あまり外しがないような気もする。

靴が大きく沈み込むというのもなんとなく無さそうなので、次回はボックスキップの既製かオーダーかな。


--------
左足に使っているM.モゥブレイ。
きわめてベーシックなクリームだと思います。
定番なので変わらない良さがある一方で、最近のビーズワックス多めなクリームと比較するとやや艶感にかけるので、これ一本というよりはワックスと組み合わせる人向けかな。



右足に使っているブートブラック。
結構単体で光るので、ワックスで立体的な靴を作りたい人以外にはいいかも。




2016年5月21日土曜日

想い出の靴 - Johnston and Murphy LD17 -

もう20年くらい前の話になるけれど、就職活動を終えて仕事のために買い揃えた靴のひとつ、ジョンストンアンドマーフィーのLD17。


もう履くことは無いと思うのだけれど、この靴もどうしても捨てられなくて手元に残っている。参加しているGoogle+のコミュニティ「靴好きもそうでない人も、革靴について話そう。」でクロケットアンドジョーンズのノーウィッチの話が出ていたので、そういや外羽根キャップトウなんてあったなと、なんとなく思い出して箱のなかから出してみた。


しまう前にいちおうていねいにお手入れしておいたつもりなのでカビが生えるようなことはなかったけれど、表面に少し塩が吹いていたり、シミが出ていたりで、正直最近お手入れ良くしている靴を見慣れているせいか、なんとなくボロい靴に見えてしまった。(まぁ、実際酷使したのでそれなりにダメージがあるのだけれど)

当時はリーガルがジョンストンアンドマーフィーのライセンス生産をしていたので、地方都市で働いていた僕は地元のリーガルシューズで購入。確かレザーソールのこのシリーズはやや高い方のグレードだったような気がする。

簡単にブラシをかけて、軽く油分補給程度のクリームを入れてみると、革の実力なのか意外と簡単に艶が出てきた。
クラックも無いし、大きな傷もないので革の状態はまずまずというところだろうか。


当時は今ほどロングノーズが流行っていなかったので、全体的に丸いデザインをしている。手元の01DRCDと比較してみるとかなり短いし、つま先の造形もラウンドトウという感じ。


左は01DRCD1サイズ24、右はLD17サイズ7。LD17のほうがサイズが大きいのに、全体の長さはやや01DRCDのほうが長い。
それにしてもこうして並べて写真を撮ってみると、20年の歳月を感じないこの艶やかな感じには驚く。(しかも10年以上ほったらかしなのだから)

この靴は社会人1年目に買った靴ということもあり、靴べら使わないで履くことも多く(紐は締め直すくらいはやった)、お手入れの仕方もわからずクリームを塗りたくったりしたこともあって、ややボロが目立つ。
一方で、当時はサイズのことも何もわからず、やや(というか今思えば結構)大きなサイズだったので、その後履くことが殆ど無く、結果としていつまでも捨てるほどダメになることもなく今に至る。

もし僕に息子がいたら履けるようなタイミングになった時にこういう靴を渡したいな。
どうせ履かないのだからダメにしてもらっても結構、というかそのくらい活躍すればこの靴も本望だろうし。

革靴は最初いくらかちゃんとお手入れすれば、かなり長い間良い状態をキープできることもわかった。
この靴は後半10年くらいは履いていないので、履き続けていたらどういう状態かということはわからないけれど、少なくても最初の10年くらいは持ったし、その後10年ほったらかしでも今また履こうと思えば履ける状態にある。革靴ってかなりロングスパンで使える道具なんだなぁとあらためて実感したのでした。