2015年4月14日火曜日

REGAL TOKYO

僕の最もお気に入りのお店、REGAL TOKYO。

銀座には数多くの靴屋があるけれど僕の一つの原点ともいえる。

僕はプロフィールの通り、リーガル系の靴を買うことが多い。なので必然的にREGAL TOKYOと日比谷のシェットランドフォックスに行くことが多いのだけれど、このREGAL TOKYOの接客の質は素晴らしいと思う。

僕はビスポークをしたことが無いし、ここの上得意さんと比べると取るに足らない金額しか使っていないと思うのだけれど、いつも満足できる接客を受ける。特に(最近見ないけど)斉藤さんの接客はスペシャルで、本当に勉強になることが多かった。

最近は日比谷にシェットランドフォックスができたため、REGAL TOKYOではオリジナルモデルが中心で、どちらかというとパターンオーダーやビスポーク中心の店舗。だからこそ、オリジナルモデルで少し遊びができるところも強みなのだろう。

リーガルと並ぶ日本の雄であるスコッチグレインの銀座店は、どうもいつもお客さんが多いためか(それだけ繁盛しているので良いのだが)、単に試着をするにも気が引ける。接客待ちのためのリストにも試着という欄がなくて(以前はそうだった。いまではどうなのだろう?)、もう買うのが前提みたいなところがあるし。よく言えば元気な、悪く言えば落ち着かない接客をしているスタッフが多い気もする。接客の方向性はREGAL TOKYOとは別物という感じ。(扱う商品のプライスが違うと言われればそうだが、既成で6万円以上、モノによっては10万円オーバーの靴を売る店である)

トレーディングポストは扱っている商品は結構好みだけれど、若い店員さんが多いせいか、なんとなく靴好きは伝わるけれど、ストイックさが無いような雰囲気があるし、WFGは常連さん向けのお店な気がしてしまい(特に銀座のお店)いつも外様感を感じてしまう。

というわけで、僕は結局REGAL TOKYOが好きなのだ。

並木通りにあった頃のREGAL TOKYOはオールデンが置いてあったりしてちょっとセレクトショップ風な印象を漂わせていた。2Fのビスポークや九分仕立てが置いてあるゾーンは見ていても飽きない感動があった。残念ながらいまはスペースが狭いためか既製の展開はごくごく一部で、他のブランドのものは置いていない。

そのリーガルトーキョーのオリジナルで、このところ立て続けに面白いモデルが出ている。

最近出た10周年記念(まだ10年なの?)モデルは、この10年の歴史と、この先10年見据えたモデルだと思う。Vフロント、パンチドキャップトウなどガチ定番から一歩だけ踏み出したラインナップもまた憎い。
素材もブラックはウェインハイムレダー、茶色はアノネイ、ソールは栃木レザーと気合の入ったモデル。以前もメルクスのボックスカーフを使ったモデルがあったりと、国産タンナー素材の採用があるのも嬉しい。

リーガルトーキョーは5、6万円クラスの靴としてはとても満足度が高い。
このモデルもかなりがっしりとした印象。ちょうどW10BDJのビジネスバージョンと言った感じ。
デザインはごくごくベーシックなパンチドキャップトウやVフロント。やっぱりこのデザイン、ビジネスシーンにマッチする。


シェットランドフォックスとは客層の違いを意識しているのか、全体的に大きめな作りに感じる。たいていはシェットランドフォックスよりハーフサイズ落としてちょうどいいか、それでも余る程度。くるぶしにややあたる感じもあるので、若者に多い細く華奢な足よりはけというよりは年配のゴツイ足向けか。

ただ、サイズを単純に落とすと寸詰まりになりやすく、指にきつさを感じる。01DRCDで緩い人だとハーフサイズ落としてもフィット感は感じられないが、指先がきつくなるはず。僕は10DRCDはかなり履きやすい靴だと思っていて、ハーフサイズ落としたこのモデルでは緩く感じるので、薄め・細めの足だとブカブカしそう。くるぶしのあたりも少し高いので、最近の細い靴では入りきらない足の人にはいいかも。


リーガルはブランドの育て方がイマイチに思える。
ビスポークまでやっているリーガルトーキョーの既製にはビジネスを意識しすぎた実用重視の靴は似合わない。そういう靴こそリーガルブランドで全国展開すればよいし、リーガルトーキョーまでわざわざくるお客さんがそういう靴を求めているとも思えない。「革底でも雨の日履けますけど何か?」「クラシックを理解したいなら当店ですね」くらいの雰囲気を感じたいといつも思う。
そういう意味では最近の「九分仕立てラストの既製靴」や「定番っぽいローファー」が立て続けに出てくるほうがドキドキ感が半端ない。できれば全部ほしい。

せっかくシェットランドフォックスという比較的攻めている既製ブランドを持っているのだから、超定番の安心感をベースに、時々驚くモデルを出すような感じだといいなと個人的には思ってしまう。ロイドのホワイトホールみたいな感じの代表モデルって無いですもん。(BTOもしくは九分がそれなのか?)
このあたり、リーガルのブランドマネージャーさんの手腕なのだろうけれど、実際、リーガルトーキョーは次の10年、何を目指すのでしょう。

2 件のコメント:

  1.  いつもブログを楽しく拝読させていただいています。1年程前よりドレスシューズに興味をもちはじめて、スコッチグレインから始まりいくつかのメーカーの靴を購入しましたが、最近はリーガルの懐の深さをしみじみと感じています。

     先日、思い切ってリーガル東京でBTOをし、6月下旬の出来上がり予定なのですが、リーガル東京のオリジナル(アニバーサリーモデルや最近発売されたローファーなど)は本当に素晴らしいと自分も思いますし、店員さんの接客も良いですね。
     
     自分は甲高幅広足のため、海外メーカーの靴になかなか合うものが無いのですが、ここの靴は洗練されたデザインと自分のような足にも合うため非常にありがたい存在です。やっぱりメイドインジャパンは良いですね、海外物も欲しいけど。
     今後も楽しみにしています。

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    1. コメントありがとうございます。

      リーガルトーキョーのBTOって、オプションの範囲が広くていいですよね。
      特に最近のドレスシューズは原点回帰っぽい感じがして好きです。
      シェットランドフォックスが細め低め志向が強くなるのに対して、リーガルトーキョーはこれまでのリーガルっぽいラストを維持していて棲み分けしているのかなと思っています。

      10周年のアニバーサリーモデルは意外とこれまでリーガルにはなかったVフロントやパンチドキャップトウなど、なかなかいい線をついてきていて、ボックスカーフの質感や、栃木レザーのハーフミッドソールとこだわりの線が私好みです。
      先日、最近出たローファーを試着だけしましたが、これは比較的薄いかなと思っている自分の足でも緩くなく履けました。スリッポンは少しラストが違うのかな。

      また5月になって忙しくなってしまい、新しい記事がなかなか出ませんが、ぜひまた気が向いたら見に来てもらえるとうれしいです。

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